パチンコを打つ前は必ずハンドルを拭く――そんなひともちょこちょこいらっしゃると思います。
　そういった方々と比べると、不潔なものに対する許容範囲が緩やかな方だと自負しているぼくですが、先日どうしても許せないことがありまして。


　まず、ぼくの潔癖感がどの程度緩いかっていうと――

　他人と歯ブラシを共有できます。

　もちろん、歯槽膿漏まんさいのおじいちゃんとかどうしても無理って相手もいると思うんですが、近しいひとならほぼ大丈夫。
　そもそも、歯ブラシって水で洗ってるんだからコップみたいなもんじゃない？ってのが、ぼくの理屈です。

　もうひとつ。これは先週あったことなんですが。

　友達の家のお風呂を借りて、排水溝に溜まったのを取り出したであろう髪の毛が隅に寄せられててそれと一緒になぜかうんこが置かれてたんですが、それも大丈夫でした。
　むしろ、ほかの場所に散らばってた同じくうんこらしき物体もそこへ移動させておきましたからね。素手で。

　なんで風呂場にうんこが？　という疑問はありましたが、郷に入らば郷に従えの精神で。手洗えば平気でしょ精神で。

　……いや、でもなんだったんだろ、あの習慣は。
　訊く勇気はちょっと出ませんでしたね。


　ま、そもそもぼく自身がそんなに清潔好きな方じゃないってのはあります。
　家事の中で一番苦手なのが掃除ですし、風呂も2日入らないくらいは平気ですしね。


　そんなぼくでも許せなかった出来事が先日ありまして。

　パチンコパチスロ以外の趣味といえば、マニアック風俗通いくらいしかないヒマなぼくはよく貸し本を利用します。

　レンタルDVD屋さんに置いてある、漫画を借りるアレですね。

　今週頭にも10冊ほど借りてきまして、その中に『ウロボロス -警察ヲ裁クハ我ニアリ-』ってのがあったんです。

　初めて読む作品なんですが1～5巻までまとめて借りましてね。
　ある晩一気に読もうとアルコールを用意してベッドに行ったわけです。

　最愛のひとを殺された幼い2人が、事件を隠蔽した警察へ復讐するために、警察官とヤクザになってアレコレするってなストーリー。

　こうやってあらすじ書いてもいまいちわからんですが、なかなかおもしろくて深夜3時だってのにどんどん読み進めていったんですよ。

　が、1巻の後半に差し掛かったとき強烈な違和感。

　コマとコマの間になんかついてる。
　短くて黒いなにかが2本。

「なんだこれ？」
　と思って、はらってみたら……鼻毛だ、これ。
　つか、触っちゃいましたよ。
　そして、はらわれた毛がベッドのどこかに落ちちゃいました。

　でもま、そういうこともあるかと思って次のページをめくったら、またついてる。
　今度は1本。

　次のページにはなくて安心したら、その次にまた！

　なんなのこれ！！！！？
　ちょっとイラッとしながらも読み進めていってわかったこと。

　毎ページまでとはいかないが、平均1.5ページくらいの間隔でつけられている。
　右ページの中央にあることが多く、ひどいとこだと3～4本一気に。

　……さすがにここまで連続されると嫌悪感ってやつが湧いてきちゃいますよ。

　しかも、おっさんのハゲ頭に鼻毛が3本載せてある遊びなんかもあったりして。
「オバQかよ！　もしくはルーニー・テューンズかよっ！」
　ってツッコんでたら、ストーリーがぜんぜん頭に入ってこなくなっちゃって。

　これが5巻まで延々続いたんです……。

　こんなに鼻毛って抜けるもんですかね？
　もしかしたら眉毛も混じってます？


　そんなこんなで、生理的嫌悪ってものをひさしぶりに感じることができたんですが、まだ問題があります。

　6巻以降を借りる気持ちが失せてしまった。
　ぼくが犯人だと思われるのもイヤだから、返却時は店員に言わなきゃならない。

　めーんどくせーーーーーっすなぁぁぁぁぁぁぁっ、オイ！

出典：マスクド･モリタ「ぱちんこ　えいりあん」（スポニチアネックス、2013年04月05日）



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