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パチ7虎の穴

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2025.11.08

【ロマンティックパチンカー】No.13 冬のソナタとグリンピース

ダスト ダスト   パチ7虎の穴

俺の人生の主役はもちろん俺だ。しかし、この世界の主役はどうやら俺ではないらしい。そんな事実に気づいてしまったのは、ちょうど20年前、26歳の晩秋だった。

野球部に所属したことはないが、河原でキャッチボールをしている俺の球を犬の散歩をしていた中年男性が見ていて、実は彼はプロ野球のスカウトで、その軌道に非凡なものを感じドラフトでサプライズ指名されるのではないか。駅のホームで何気なく口ずさんだ鼻歌のメロディを偶然隣にいたレコード会社の社長が聴いていて、名曲すぎるあまり名刺を手渡されCDデビューを打診されるのではないか。

そんな奇跡がいつの日か俺の下に訪れるに決まっている。この俺が凡人のまま終わるはずがない。そう信じて生きてきた。

それなのに、いつまで経ってもドラフト会議での指名はなかったし、手元にあるのは行きつけのメガネ屋でもらった店員の名刺のみだ。そもそもそんな可能性があるならなぜ俺は26歳にもなって、日払いのバイト達を乗せたバスに揺られているのだろう。

どうやら人生を間違えてしまったらしい。唯一の生き甲斐であるパチスロも、あと1年足らずで4号機が撤去されるという。

車窓からは鈍色に光る船橋の海が見えた。その広大な海を見つめながら、俺は賭けに出る決意を固めた。数日前に、人生を一発逆転できそうな素晴らしいアイデアを思いついていたのだ。

「人の行く裏に道あり花の山」という言葉がある。読んで字の如く、人の群がる方向ではなく、その裏道にこそ儲け話は潜んでいるという格言だ。この言葉を目にした瞬間、俺はグリンピース農家こそまさにそれにあたる、と強く膝を打った。

生産者の方には失礼だが、生まれてこの方、「1番の好物はグリンピースです!」という人に出会ったことがない。むしろ苦手としている知り合いは多数いる。苦手対普通もしくは興味なし、がおおよそ8対2くらいだ。こんな作物を、あえて作ろうと思う人間がいるだろうか。

需要は確実にある。子供から大人までが大好きなシューマイにはたいていグリンピースが乗っている。まずは後継者問題に頭を悩ませているグリンピース農園を探そう。そこで働かせてもらい、うまいこと気に入られて経営を任せてもらえるようになれば、グリンピース市場は俺が独占できるのではないか。一攫千金も夢ではない。

バスが海沿いの工場についた。ここで働くのは今日までだ。帰宅したらインターネットでグリンピースの生産地を調べよう。果てしない野望を抱きつつ、バスを降りた。

さて、アルバイト雑誌で「日払い倉庫内軽作業」と書かれたバイトには、様々な仕事がある。本日俺に与えられたのは、丸まったカーペットをひたすら伸ばし重ねていく、というものだった。このカーペットが非常に大きく重く1人で移動させるのは困難で、こういった仕事には珍しく2人1組で作業をさせられることになった。

日払いバイトにしっかりした挨拶など不要だ。本日パートナーになった男に軽く頭を下げただけの俺に対して彼は「押忍!よろしくお願いします!」と声を張り上げた。俺は心の中で、彼に空手家と名付けた。

空手家は中肉中背でスポーツ刈り、目に異常なまでの光を宿していた。年齢は全く読めない。25にも見えるし、56と言われても納得してしまいそうだ。果たして彼に子供のころがあったのだろうか。ある日突然空間が裂け、そこから今の姿で産まれました、そう言われても納得してしまいそうな容貌をしていた。

仕事ぶりも凄まじかった。常人であれば日払いバイトなど、どこか投げやりな気分で手を抜きつつ、ただ時間が過ぎ去るのを待つものだ。しかし、彼は全力だった。その動作も空手家のようであり、動くたびに腕や足から「セイ!セイ!」という掛け声が聴こえてきそうだった。

俺は、自分という人間が心底情けなくなった。こんなバイトと拗ねるのは簡単だ。だがその仕事を選んだ、せざるを得なくなったのは自分の責任であり、労働の対価として賃金を得るならば真剣に向き合うべきなのだ。

空手家、ごめん。俺、間違ってたよ。

心で呟き2人でキビキビと働いた結果、11時には午前中のノルマを終えてしまい、工場長に「あれ、もう終わったのかい!?じゃあこれもやってもらえるかな」と新たなカーペットを押し付けられた。今度は「オイ!ふざけんなよ空手家!」と心の中で叫んだ。

だが、真剣に仕事をしたからか、やっとたどりついた昼休みで火をつけたハイライトが殊更にうまく、真面目に働くのも悪くないかな、と思った。

潮風とともにニコチンを胸いっぱいに吸い込み、コンビニで買ってきたパンを頬張った。空手家はというと、俺から5メートルほど離れたベンチに座り、自宅から持参したと思われるアルミホイルを鞄から取り出していた。そして、奴がアルミホイルを剥がし、姿を現した物体を見た俺は驚愕し、咥えていたタバコを噴き出した。

「な、なにぃぃぃ!」

空手家は嬉しそうに豆ご飯のおにぎりにかぶりついた。こんなにうまそうにグリンピースを食う人間をはじめて見た。

この世にグリンピースが好きなやつがいたとは…。その瞬間、空手家とともにグリンピース農場で働く自分の姿が頭に浮かんだ。奴が作るグリンピースは、俺のそれよりもたわわに実る。そんな気がする。そして、グリンピース農場の経営者は俺よりも空手家を後継者として指名するだろう。

そもそも「豆ご飯」という料理が存在するということは、グリンピース愛好家が一定数いることを意味する。自らの浅はかさに気づいたそのとき、「グリンピース農家になる」と固く誓った決意は、潮風にさらわれてどこかへ消えていった。

打ちのめされた俺は、仕事が終わり手渡された数千円の現金を握りしめ、ニュー島唄のレバーを叩いた。もうめちゃくちゃになりたかった。しかし、滅多にないことだが初当たりは奇跡のBIGで、そこから10連以上続いた。あぶく銭を手にし、翌日から日払いバイトに行かなくなった。グリンピース農家と空手家のことは、いつしか記憶の奥底に封印されていった。

名作ドラマ「冬のソナタ」を見て久々にあの頃のことを思い出したのは、人のいかない道がグリンピース農家ならば、きっとこの作品がその対極にあるからだろう。今まで人が創り上げてきたすべての恋愛ドラマの要素を備え、王道中の王道、ベタを極めたのが冬のソナタだ。

このドラマが日本で放映されたのが2003年、パチンコになったのが2006年で、当時は「なんかおばさんがキャーキャー言ってるなあ」くらいにしか思わず、興味も湧かなかった。

そんな俺もすっかり中年になった。今ならもしかすると、冬のソナタの魅力がわかるかもしれないな。ふとそう思い、FODで視聴を始めたところすぐにハマった。このドラマを見ずに生涯を終えなくて本当に良かったとさえ思った。

このコラムを読んで「そんなに言うならちょっと見てみようかな」と、思ってしまった方が1人でもいるかもしれない。そんな全20話に挑む勇者のために極力ネタバレを避けつつざっくりと内容を語ると、ツンデレから始まり初恋、事故、死亡、瓜二つの別人、記憶喪失、実は兄妹、失明など、この世に存在する全ての恋愛ドラマの要素が冬のソナタには含まれている。8話くらいでもうお腹いっぱい、となるだろう。しかし何故か止まらなくなる。全話の視聴を終えた後、少しだけキスが上手くなっているはずだ。それが、冬のソナタというドラマである。

これまでパチンコ、パチスロには数え切れないほどのタイアップ機が誕生してきた。エウレカ、ブラックラグーンなどはパチスロのおかげで興味を持ち原作を視聴した。素晴らしい作品だった。しかし、ルパンや北斗のようにもともと原作の大ファンであった作品を打ち、それが名機だった喜びはパチンカーにとってひとしおである。

これまでパチンコ冬のソナタに触れたのは、未練打ちで数回転プレイしたくらいで、打ったことがあるとはいえない。

今、原作の大ファンとなった俺がパチンコ冬のソナタを打てば、より楽しめるのではないだろうか。図らずも、10月に冬ソナの遊パチが導入されるとの情報を得た。遊パチならば、より多くの演出が楽しめるはずだ。

今回の対戦相手はこのようにして決定された。
より純粋に楽しめるよう、予習は一切せず台脇にある冊子のみを頼りに実戦開始である。  

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最近のパチンコは回らないから打つ気がしない、という声をよく聞く。確かに以前と比べたら調整が厳しいような気もする。だが、それを嘆いているだけでは状況は何も変わらない。大切なのは「当たる」ではなく「当てる」ことなのだ。

ご存知の通り、パチンコは玉がスタートチャッカーを通った瞬間に全ての抽選が行われている。ただ機械的にハンドルを捻って打ち出された玉と、1発1発に想いを込め、チャッカーを通る際に「当たれ!」と念を送られた玉のどちらが大当たりに当選しやすいだろうか。それはもちろん後者である、と胸を張って言える自分が、最近わりと好きになりつつある。

あの日の空手家を想った。彼はいつだって全力だった。いまこそ力を貸してくれ、天に向かってそう呟き、玉がチャッカーを通る瞬間「セイ!」と心の中で叫んだ。10回に1回は小声で「セイ!」と呟いた。目を血走らせ、警察に通報される一歩手前のテンションを保ちつつ、ハンドルを握った。

台のポテンシャルは1K16ほどだ。構わない。この想いが通じれば、ボーダーマイナス1.5など恐るるに足らずだ。そんな気持ちで打ち続けていたのだが、演出がほとんど発生しない。まるで海物語「海モード」だ。つまり、この液晶が動いた時が熱いということか。

そして、全力で回すこと150回転、とうとう本日1発目の期待ができそうな予告が発生した。

「わたしって…ほんとだめね」

ユジンが喋った。赤台詞だ。しかも、ボタンを押すように促されている。勝負どころが来たようだ。いでよ!ジュンサン!気合いを入れてプッシュした。

キム次長「俺にくらべたら、全然マシさ」

その瞬間、ダウンタウン浜田さんの伝説のツッコミ「おまえが歌うんかい!」とまったく同じテンションで「おまえが喋るんかい!」とつっこんでしまった。笑いがとまらなくなった。ちなみにこのキム次長、ドラマではジュンサンの先輩的存在であり、その風貌から「北の国から」の正吉くらいの活躍を期待したのだが、本当に毒にも薬にもならない役どころでそのまま出番を終える。

しばらく笑い続けていたので気づかなかった。165回転、いつの間にかホテルリーチが失敗し、メガネが落ちてきてスーパーリーチに発展していた。気のせいかアルバムが白かったような気がする。台脇の冊子によると、1番熱い色のようだ。

その後、激アツの初雪リーチが発生し見事大当たりゲット、しかも「タ」図柄で確変確定だ。その確変は恋愛モード中の専用演出、「チュリンの嘘リーチ」により瞬殺された。ここで、冬ソナの知識が全くない方のために、チュリンという登場人物を簡単に紹介しておこう。スネ夫の100倍性格が悪い女を想像してほしい。それがチュリンだ。チュリンリーチならば即落ちも当然と首肯する。

これにて大当たりから確変落ちまで一連の流れを味わったわけだが、このマシンは忠実に冬ソナの世界観を再現している。唯一、サンヒョクという恋のライバルの扱いの悪さだけが気になるところだが、それを含めても非常に良台との感触を得た。

ここまでの投資は11.5K、まだまだ挽回可能だ。俺をもっと深く冬ソナの世界へと誘ってくれよ。そう呟き、実戦再開だ。

時短抜け後わずか6回転、またもユジンの赤台詞を今度はヨングクという男同級生が返答し、再びお前が喋るんかいとつっこむも、群予告が発生して大当たり、これも確変だった。一度がっかりさせておきながら群で当たるとは、やはりこの台は名機なのかもしれない。

しかし、その後の当たりで評価は一変した。確変中に青の2図柄でテンパイ、雪だるまリーチへ発展した。このリーチは原作でも非常に人気の高い名場面が使われている。

イチャイチャしながら2体の雪だるまを作るジュンサンとユジン、遊び心でジュンサンが雪だるま同士をキスさせ「うらやましいな」と呟くと、ユジンがジュンサンの頬にキスをする。「これでうらやましくないでしょ」とイタズラっぽく笑うユジンに今度はジュンサンがマジのキスをする、というここまで書いて1人で奇声を放ってしまうようなシーンをリーチに採用するとは、さすがは京楽さんだ。

ハアハアしながら「キスしろよ…なあ、キスを、しろよ」と激しくボタンをプッシュすると見事「ヨーモニー」から大当たり当選だ。

玉座に座る貴族のような表情を浮かべながら「これは当然確変だろう」と図柄の再始動を眺めていると、数字は2から再び2に停止した。

「ごめん…ユジン」

思わず「えーーーー!!」と叫んでしまった。激しく狼狽する。これは絶対にだめだ。チュリンで落ちるのはわかる。しかし、名場面が使われている実写SPリーチで当たり確変落ちは納得できない。青字でリーチがかかり、発展した場合ハズレを願うことになるではないか。原作ファンであればあるほどそれはできない。ジュンサンの不幸など見たくないからだ。

これはとんだレアパターンかバグに違いない。そう信じて打ち続けたが、その後入院モードという名の2R確変から再び青字の2で雪だるまリーチに発展、当然のように大当たりするも、再始動した数字が停止したのはまたも2だった。

心の中でポラリスが落ちるのを感じた。これ以上、この台は打てない。出玉を全て呑ませたところで席を立った。今日の実戦はここまでだ。

冬のソナタ My Memory SWEET Version
大当たり回数 7回
投資 11.5K
回収 0玉
−11.5K
 

消化不良気味に終わってしまった今回の実戦であるが、それは俺が原作の大ファンであるがゆえの拗らせが原因である。今日は1日中冬ソナと戯れるために、5万円の現金を用意してきた。財布の中で残りの38,500円が泣いている。

時間はまだ正午前だ。この感情の昂りを抑えるには、冬のソナタを見るしかあるまい。幸いにも今日は平日だ。妻はパート、子供たちはそれぞれ小学校と幼稚園に行っている。酒でも飲みながらひたすら冬ソナを見よう。そう決めた俺は、大好きないいちこの補充のため近場のスーパーに向かいハンドルを切った。

いいちこのパックを片手に何かつまみを、と店内を物色していると、「しお豆」という商品を発見した。えんどう豆を炊き塩味をつけているようだ。えんどう豆とは成熟したグリンピース、今日のアテにこれ以上ふさわしいものはない。

帰宅し、すぐにテレビをつけ冬ソナを再生した。オープニングのピアノの旋律が涙腺を刺激する。1話目から名シーンの目白押しで、いいちこを傾ける手がとまらない。そして、合間に口に含むしお豆がうまい。

きっとこの豆は、信念をもった人によって作られたのだろう。どちらかといえばグリンピースが苦手な俺がそう感じるのだから、間違いない。そう思った瞬間、俺の頭に浮かんだのは空手家だった。彼ならば、こんな豆を作りそうだ。しお豆のパッケージの裏側を見ると、この豆はイギリス産のようだ。俺はいいちこの入ったグラスを西の方向へ掲げた。

いい感じに酔いが回りふと気がつくと、ドラマは2話目の終盤に差し掛かっていた。雪だるまのシーンだ。先ほどパチンコ屋で見たばかりなのに、興奮して声を上げてしまった。

その時、閃いた。もしもパチンコ冬のソナタがST機であったならば、数々の名シーンのSPリーチを、青数字であったとしても心の底から応援できるのではなかろうか。

京楽の方がもしもこのコラムをご覧になっていたならば、次回作の開発の際には是非ご一考して頂きたい。原作ファンは、俺を含めてこぞって打ちに行くはずだ。そんな日が来ることを、グリンピースを齧りながら待ち続けようと思う。  

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ダスト
代表作:ロマンティックパチンカー

ルパンでパチンコを覚え、アステカでパチスロを覚え、ミリオンゴッドでギャンブルを覚えました。子供が生まれた時に一旦現役から退きましたが、先日7年ぶりにパチンコ屋に行き、再び悪い心に火がつきました。リハビリ感覚で、ハネモノ、遊パチから始めようと思います。
プレイスタイルはロマン打ち、愛があれば確率なんて超越できると信じています。嫌いな言葉は下ブレです。

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