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生命の源(後)
生命の源(後)
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結城るかさん
レトロ台、マイノリティ台が大好きな青年おっさんです。 - 投稿日:2019/01/02 01:19
残度85と表示されていたカードをサンドへと差し込み、貸出ボタンを押す。
先ほどと同じようにブッコミ弱めを狙いつつ、ぼぉーっと盤面の釘の森へ目を移す。
アツくなってしまうため、キチンと球が狙い通りのところへ向かっていても鳴かないときや、球を拾わないときはボーっとするようにしていた。
残度75と表示された時だ。
鳴いたはずなのに球が羽根へと寄ってこない。
どうしたものか、4回開放している間に、ヘソへと3球も入賞していた。
「何もこんな時に入賞しなくても・・・」
貸出ボタンを押した。残度70。
ボタンを押した左手が膝の上へと戻った時に鳴いた。
羽根に拾われた球が右上側ハズレ穴をかすめ、中央へと向かっていった。
中央上部のハズレ穴を逸れ、下部のハズレ穴へと向かって行った。
球が生きているかのように、穴を大きく跨ぎ、そのまま落下し、Vへと吸い込まれた。
前回のあたりから10分くらいであろうか。
けたたましくなる入賞音。
周囲の視線を背中に感じ、恥らいつつハンドルを右へ捻り左手でドル箱の球をならす。
ホールスタッフの女性と目が合う。
‘おめでとうございます’そんな雰囲気の笑顔をしていただいた。
山盛りにしたドル箱とスコップをジェッターへと運ぶ。
ホールスタッフの女性が慣れた手つきで球を流す。
空のドル箱とレシートを受け取り、また席に着く。
貸出ボタンを押す。
‘今回も早い当たりを’なんて思いながらハンドルに手を添え、球を打ち出した。
残念ながら今回ばかりは勝手が違った。
データカウンターの数字は進むも、羽根は球を拾わず、貸出ボタンを押す手だけが進んでいった。
残り度数が55を表示したところで、もう一度天釘狙いへと戻した。
さっきとは違い、生き生きとする羽根。
球は寄らずもがな、3鳴きに2球は拾ってくれた。
貸出ボタンを押し、残り度数が50を表示したところでお熱い時間がやってきた。
1鳴きで3球も拾ったのだ。
1球は右へと大きく逸れ、残る2球が左右に分かれ、左右上部のハズレ穴、中央上部の穴をも逸れ、下部の穴へとむかう。
左の球が吸い込まれそうになる・・・と、右から飛んできた球が左の球をはじき出し、ハズレの穴へと吸い込まれていった…
あばよ、後は頼んだぞ、そんなセリフが飛んできそうだ。
はじき出された左の球はそのまま落下し、Vへと吸い込まれた。
またしてもけたたましく鳴り響く入賞音。
喜びを隠しきれなくて、顔には笑みが浮かんでいただろう。
大当たりを消化し終え、ドル箱をジェッターへと運ぶ。
「今日は調子よかったですね。」そんな一言をオーナーからかけてもらえた。
実に満足だった元日だった。
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結城るかさんの
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