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【回胴狂時代⑤】コンチ2の新装で警察に〇〇された話
【回胴狂時代⑤】コンチ2の新装で警察に〇〇された話
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貯金爆弾さん
お久しぶりです。ドリクルは金欠で引退してます(涙) - 投稿日:2021/12/21 19:03
1992年、5月。
ここは、某県某市のとある高校。3年2組の教室である。
来年頭には大学受験を控え、さらに今は中間テスト期間中。それだけに、教室内の空気はピリッと張りつめており、生徒たちも高尚な会話を繰り広げていた。
自分「おい、今朝買ってきた必勝ガイド見てみろよ! いよいよコンチ2が導入開始だってよ!」
カズオ「ぬおおお、コンチ2! ついに来たかあああ」
タケヒコ「お前ら、アンテナ低すぎ。そのコンチ2が昨日、隣町のK店に入ったらしいぞ」
自分「マジで? さっそく今日、部活終わったら行ってみようぜ」
カズオ「うひょひょ。テスト期間、さまさまですな」
高校3年生でありながら、テスト期間中の早上がりを利用し、パチスロを打ちに行こうと企てる大馬鹿トリオがそこにいた。他ならぬ自分とその悪友である。3人とも泥臭いラグビー部員だ。
地域差もあるだろうけど、当時の男子高校生の5%くらいは、パチンコパチスロを嗜んでいた。さらに脳みそ筋肉な「ラグビー部」に限定すると、その割合は30~40%にまで跳ね上がる(貯金爆弾調べ)。
まあ、いま振り返ってみても、テスト期間中にパチスロなんてどうかと思うが、なんせ今回のターゲットは新台のコンチ2である。さすがにテスト勉強どころじゃない。赤点上等だ。
話は逸れるが、ここでコンチ2登場当時について解説しておく。
3号機シーンにおいて、BIGオンリーの爆裂連チャンで人気を博した『コンチネンタル』と『コンチネンタル3』。この2機種は1990年に同時デビューしていたが、そこから遅れること1年半。満を持して登場したのが、同じく3号機の『コンチネンタル2』だった。機種名のナンバリングと登場順が逆転しているが、それがまたミステリアスな雰囲気を醸し出していた。
ここで重要なのが、当時のパチスロ情勢。
コンチ2登場時は、2号機3号機の裏モノ化が社会的問題となり、多くの機種がノーマルに戻りつつあった。それは先代のコンチ&コンチ3も例外ではなく、すっかりキバの抜けてしまったコンチのシマでは、閑古鳥が大合唱。その光景は、業界の終焉を感じさせるに十分であった。そして、誰もが待ち望んでいた。この状況を打破する「救世主」の出現を・・・。
そんな状況の中、ついに登場するコンチ2。言うまでもなく、当時のパチスロファン最大の関心事は、その「中身」である。
「腐ってもコンチシリーズの最新作だ。連チャンするに決まってる!」
「いやいや、今の状況を考えると、中身はノーマルだろう」
「それでもユニバなら・・・ユニバならやってくれる!」
多くのファンの期待と不安を一身に背負い、コンチ2はホールデビューした。
果たして連チャンするのか、しないのか。この機種は、業界の救世主になり得るのか。
その答えは「NO」だった。
そう、満を持して登場したコンチ2は、牧師のように穏やかなドノーマルだったのである。
裏モノに脳を焼かれた当時のファンの落胆たるや、それはそれは凄まじいものがあり、個人的には「期待を裏切ったシリーズ機」の王座に未だ君臨し続けているほどだ。当時、もしインターネットがあったなら、確実に大炎上案件だっただろう(ノーマルだからという理由で糾弾されるのも、おかしな話だけど)。デビューからしばらく経って再評価される声もあったが、少なくとも登場直後のコンチ2は、最低最悪の評価だった。
ということで、話を元に戻そう。
ここは、M市のK店。自転車で1時間かけて新台のコンチ2を打ちに来るも、まさかのノーマルで落胆する大馬鹿トリオがそこにいた。
自分「クソ台すぎる・・・。どうなってんだ?」
カズオ「まさかコンチの新台が連チャンしないとは・・・。もう終わりだよ、パチスロは」
タケヒコ「この黄色っぽい下パネル、ダサすぎて吐き気がする・・・」
自分「リール制御も全然ダメ。偉大なる兄貴のベルスベリを見習えや」
カズオ「中段チェリーからシングルが揃うとか、喧嘩売ってるとしか思えんぞ」
タケヒコ「ファンファーレも軽すぎて気持ち良くねぇし」
揃いも揃ってボロクソである。まさかユニバの開発者も、高校生の小僧にここまで文句を言われてるとは、予想だにしなかっただろう。
自分「もう帰ろうぜ。金も尽きたし」
カズオ「ったく、1時間もチャリ漕いで来たのによぉ。帰り道ダリぃなぁ」
タケヒコ「ほんと、今日は厄日だな・・・」
悪態をつきながらホールを出る3馬鹿。しかし、本当の地獄はここからだった。
自転車に乗ってホールの門を出た直後、見知らぬ2人のオジさんが我々の進路を遮ったのである。
それは、一生忘れられない事件の幕開けだった。
オジさんA「君たち、止まって止まって!」
自分「えっ、何ですか一体・・・」
オジさんB「警察です。君たち、高校生だよね?」
そう言いながらオジさんBは、ワイシャツの胸ポケットから黒手帳をチラリと見せる。まるでドラマみたいだな、とぼんやり思ったけど、警察って! これはマズイ・・・。
2人の私服警官によると、パトロール中にパチ屋の駐輪場で「〇〇高校」と学校名シールが貼ってある自転車を見つけ、張り込んでいたらしい。で、そこに3馬鹿がノコノコ出てきて、1人が件の自転車に乗り込んだ、という訳だ。
ちなみに、校則では学校名シールは通学用自転車に必ず貼る必要があったが、自分とカズオは校則を破り、シールなんて貼っていなかった。しかし、タケヒコだけは律義にも貼っていたらしい。そんな学校名を貼り付けてパチ屋に来るなんて、さすがにアホすぎる。まあ、それに気づかなかった自分もアレだが。
警官A「お前ら、〇〇高校の生徒か。ずいぶん遠くから来たな」
マズい。ひじょーにマズい。学校にバレたら停学? 下手すりゃ退学か? いや、それよりラグビー部の監督にバレたら殺される・・・。それに、これが原因で花園(ラグビーの全国大会。我が部は全国優勝を目標に、練習に明け暮れていた)の予選に出れなくなったら切腹するしか・・・。
警官A「とりあえず自転車から降りろ。そこに並んで、順に名前を言って」
カズオ・自分・タケヒコの3人は、指示通りに並ぶ。学校と名前がバレたら、もう諦めるしかないよなぁ。最低でも停学は覚悟しよう。せめて花園だけは、花園予選の出場権だけは・・・
渡辺カズオ「田中ヒデアキです」
ってこいつ、やりやがった! この局面で、シレっと偽名を使うとは。しかし警察に偽名って、本当にシャレにならんのでは・・・。でもカズオが偽名を使った以上、自分も合わせるべきか? えーい、南無三!
自分「や、山下トオルです(偽名)」
カズオに合わせ、とっさに偽名を使ってしまった。これはもう、乗りかかった船だ。俺たち3人は一蓮托生、地獄の底まで運命共同体だぜ!
斎藤タケヒコ「斎藤タケヒコです」
って、お前だけ本名!? 自分とカズオは、反射的にタケヒコを睨む。見ると真っ赤になった彼の目からは、涙がこぼれ落ちる寸前だった。どうやらラグビー部の3馬鹿は、チームワークが足りないらしい。
その後、たっぷり1時間ほど怒られ、ようやく解放された。警察はこのことを、学校に報告するだろうか。帰り道は不安と恐怖で、押しつぶされそうな気持ちだった。
自分「あの警官、学校にチクるかなぁ。チクられたら終わりだろうなぁ」
カズオ「どうかな。1時間も怒られたんだから、綺麗サッパリ水に流してくれても」
タケヒコ「無理だよ無理。補導員ならともかく、警察はそういうの容赦しないって。絶対チクられると思う」
自分「てか、お前だけ本名使いやがって。コントかよw」
カズオ「俺も笑いそうになったわw」
タケヒコ「だって警察に偽名なんて使ったら、シャレにならないよ。未成年だから逮捕まではされないけど・・・」
実はタケヒコの父親は、地元で中学校の教師をしていた。そのためなのか、タケヒコだけは自分たちよりも遥かにビビり倒していた。もし父親にバレたら、勘当レベルで怒られるのだろう。
そして次の日。
恐怖と不安で眠れぬ夜を過ごした自分は、重い足取りで登校した。教室に入ると、既にカズオとタケヒコは登校しており・・・って、なんだそれ!?
なんとタケヒコが髪をバッサリ切り、坊主頭になっていた。いや、坊主なんてレベルじゃない。スキンヘッドに近い「五厘刈り」だ。青々としたその頭は、完全に修行僧である。
タケヒコ「どうせ学校にバレるからさ、せめて反省してる態度を示そうと思って・・・」
カズオ「いやいや、お前だけ先走るなよ!」
自分「そうそう。俺とカズオが反省してないみたいじゃん」
相変わらず、チームワークゼロの3人だった。
そして不安で胃が痛む中、授業が始まり、やがて昼休みに。ここまで、先生からの呼び出しは無い。そして何も起こらぬまま授業は終わり、部活の時間になった。
もしかして、警察は学校にチクらなかった? このままお咎め無しで終わるのか?
タケヒコ「いや、学校に連絡が入った場合、真っ先に監督に伝わると思う」
カズオ「だな。監督の顔を見るまで安心できんぞ・・・」
その通りだ。3人ともグラウンドに出て、ストレッチを開始する。ほどなくして、体育教官室から出てくる監督の姿が。どうなんだ? 鬼の形相だったら死亡確定だが・・・。
見ると監督は、いつになく笑顔だった。どうやら今日は機嫌が良いらしい。
カズオ「おい、監督ニコニコしてるぞ! これ、助かったよな?」
自分「うおおおお、信じられねぇ!」
タケヒコ「良かった。本当に良かった・・・」
正直この時、3人ともちょっと泣いていた。あの警官、どうやら学校には言わないで見逃してくれたらしい。あの時のお巡りさん、ありがとう。本当にありがとう。
監督「ん? おいタケヒコ、その頭どうした?」
グラウンドに入った監督が、タケヒコの頭に気付くと、さっそく突っ込みを入れてきた。まあ、昨日まであった髪が一夜にして無くなっているのだから、当然の疑問である。
タケヒコ「いや、これはあの・・・その・・・きっ、気合いを入れましたぁ!」
監督「おお、そうか。なかなかやるじゃねぇか。でもその頭、まるでパチンコ玉だな。わはは」
自分とカズオは、思わず吹き出した。当のタケヒコは、苦笑いしながら泣いていた。
結局タケヒコは、「パチ屋で補導された挙げ句、頭がパチンコ玉になった男」として、長いことネタにされ続けたのであった。
そして翌年の1月。
我がラグビー部は無事に花園出場を果たし、全国3位という快挙を成し遂げる。
もし、あの「補導事件」が公になっていたら・・・。いま想像しても恐ろしい。重ね重ね、あの時のお巡りさんには感謝しかない。それと偽名を使うという、クソみたいな真似してゴメンなさい。
さて。
長々と書いてきた今回のコラム。
相変わらず、ダラダラ長いだけの内容だけど、1つだけ教訓を残すとするならば。
パチンコパチスロは、18歳になってから。
おしまい。
【おまけ】
月日は流れ、現在。
すっかりオッサンになった3馬鹿は、今でも時々集まり、酒を飲む仲である。
今や自分とカズオの髪はすっかり薄くなったが、タケヒコだけはフッサフサのまま。
曰く「あの時、坊主にしたおかげ」だそうだ。
こんなことなら、俺たちも坊主にしていれば・・・。
自分とカズオは、後悔することしきりである。
ではでは。
【お断り】
・登場人物は全て仮名です。
・でも、警官に名乗った偽名は、そのまま再現しています。たぶん一生忘れないw
・コンチ2やコンチ3の機種名は、正確にはローマ数字です。
【追記とお願いです】
アップ後に気付いたけど、年数&全国3位と書いたら、学校名バレるじゃんw(3位の学校は2校あるから、完全特定は出来ないけど)もし学校名が分かっても、書かないでくださいな。
m(_ _)m
7
貯金爆弾さんの
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このコラムへのコメント(10 件)
駅やスーパーのトイレで着替えて出陣!が定番でしたね。てか、上着だけ私服を着て、下は学生ズボンのままとかで行ってましたよw
コンチ2は当時、仲間内でクソ台の代名詞になってました。
パチンコは新要件機(いまや死語だけどw)が出て1年後くらいかな? うろ覚えですが。
まあ自分も学校帰って制服着替えて原チャリ乗って通ってたんで、何も言えませんね。
コンチ2>そうそうノーマルしか無くて、がっかりしてたなあ。
この時期は、パチンコばかり打ってた記憶が。どのあたりだろう?
92年だとすると、既に働いてるなw
最近、パチ屋で高校生を見ないですよねぇ。寂しい限りです。
自分なんて、中学生のころから・・・ゲフンゲフン
そりゃあもうバレバレだったんでしょうが当時はぬるかったんすよね。今はダメポでしょうけど。
いや~馬鹿やってたヤツらとは散り散りになっちゃいましたから、なんかホッコリしました。
タケヒコが本名を名乗った瞬間、自分とカズオは
( #°д° )
こんな顔してましたよ。
どう考えても、偽名なんて使う方がアホなのですがw
昔の警察って、結構優しいところありますよね?若かりし頃、結構見逃してくれること多かった気がします。怒られはしますが、人情的な?
コンチ2、後から出た青パネルはカッコイイと思いますが、当時、黄色パネルは総スカンでしたよw
今回のコラム、とりあえずガーッと書きたいこと書いて、1回保存してからスリムにする予定でしたが、間違えて「公開ボタン」を押しちゃいましたw
ほんと、直したい気持ちで一杯ですが、お褒め頂き光栄です。まあ、やっぱり直したいですがw
いやいや、生徒会長がパチ屋行っちゃダメでしょw
自分は年齢が理由で出禁になったことは無いですね。元々、オッサン顔だからなのかも…(涙)
コンチネンタルっていう名前だけで期待しちゃいますよね
2はだめだったんですね
見た感じ、ルックスは好みですが…
貯金爆弾さんのコラムはまじで勉強になります。
本当に5年はやく生まれたかったです
こういう昔語りが面白いのに!
また引き出しを開けて書いて欲しい!
当時は生徒会長でしたが、周りがコンドルだアステカだと騒いでいる頃、回るルパン三世で勝ちまくってて「パチスロよりパチンコだよ」と思っていましたが、ホール店員に「学校には言わないから明日から来ないでね」って言われて出禁になりました。
そう!パチンコパチスロは18歳から!