ご存知の方もいらっしゃるかとは思いますが、「ロマンティックパチンカー」というコラムを掲載して頂いております。

先日ひっそりと1周年を迎え、1人で祝杯をあげました。愛するいいちこを痛飲し、翌日には目からいいちこが流れ出てくるほど酔い潰れました。

今回の「罪と罰」ですが1周年記念ということもあり、いつもにも増して気合を入れて書き上げました。はりきりすぎて「どうせまた負けるだろうし」と、実戦前に負けたとき用の文章を用意していたほどです。

それが、まさかの勝利です。正直負けたときバージョンの展開が気に入っていたのでどうしようか悩んだすえ、どうしても辻褄を合わせることができないし長いのでボツにしました。

しかし、iPhoneのメモ欄を整理している際、このまま消去してしまうのは惜しい、惜しいがこのコラム以外に使うところはまずない、そうだ、自由帳に投稿しよう、と思い至りました。

僕は自由帳が大好きです。皆様のコラムを読むのも大好きですし、投稿したあと「誰か読んでくれないかなあ」とハアハアドキドキする時間はほんとたまらないです。パチ7歴は短いですが、パチ7愛は誰にも負けていないと思っています、多分。

あと、こんなに下品な単語を多用している文章を投稿することに若干のためらいはありましたが、あんかけさんの「聖剣伝説」に背中を押してもらいました。

聖剣伝説11|パチンコ スロットコミュニティ【パチ7自由帳】 https://pachiseven.jp/columns/column_detail/22394#contents

以下のコラムの実戦を負けたと仮定し、実戦後のパートとして読んで頂けたら幸いです。負けたときのタイトルは「魔法の言葉」となる予定でした。こちらも、もちろん実話です。

【ロマンティックパチンカー】No.12　罪と罰 https://pachiseven.jp/articles/detail/25343#contents

食事会が終わり解散した後も、妻はまだ笑っていた。

「やばいよ。いま、金っていう文字を見ただけで笑っちゃうよ。あのタイミングで放り込んでくるのは、殺傷能力ありすぎだよ」

「もしも俺が急に事故で死んだら、恐山に行ってイタコに俺を憑依させてみ。もしもそのイタコに本物の能力があれば、キンタマって言うはずだから」

「えー！そんなの、私キンタマで泣いちゃうよ！世界で1番感動的なキンタマじゃん！」

そういって2人で笑い合った。その日以来、世界で1番下品な4文字は、我が家においては仲直りの言葉として使われるようになった。

皿洗いを怠った時や、豚肩ブロックと豚モモブロックを買い間違えた時。海物語で5万溶かした日も競馬で8万やられた日も、その言葉を耳元で囁くと、妻は笑いだして俺を許してくれた。その許され率の高さは、会社で上司に激怒されている際に「試しにキンタマって言ってみようかなあ」と、思ってしまうほどだった。

こうして世界で1番下品な4文字は、我々夫婦の間でいつしか「魔法の言葉」と呼ばれるようになった。

しかし、時が流れれば人の心も変わるものだ。
写真撮影から5年ほど経過したある日、般若の顔をした妻に呼び出された。かなりご立腹の様子だ。

「あのさあ、みーちゃんが魔法の言葉を言ってたんだけど、まさか余計なこと教えてないよね」

みーちゃんとは我が家の次女で、まだ幼稚園の年少だ。男兄弟しかいない下品な家で育った俺とはいえ、そこら辺のデリカシーは心得ている。

「絶対に俺じゃない。多分幼稚園で男子に言われたんじゃないか？」

「それならいいんだけど。とりあえず、ぜっっっっっっっったいに、2度とその単語言わないように叱っといたからアンタも気をつけてよね」

そう言って妻は去っていた。もう魔法の言葉は通用しそうにない。子供がいるならば、それも当然だ。

それから数日後に事件は起きた。帰宅するとみーちゃんが泣いていた。妻に理由を尋ねると、どうやら幼稚園の同級生に「嫌い」と言ってしまい、先生から電話があり説教をしているとのことだった。

ここは俺の出番だ。妻とみーちゃんの間に割って入り、やさしくその頭を撫でた。

「みーちゃん、もうわかったね？友達に嫌いって言っちゃだめだよ」
「ウウ…ゴメンナサイ」

みーちゃんは泣きながら俺に抱きついてきた。これが愛か、とサウザーのようなことを思った。妻を見ると、うんうん、と腕を組みまるで野球部の監督のように頷いている。ここまでは正解のようだ。仕上げにはいろう。

「よーしえらいぞ。じゃあ、みーちゃん。1番言っちゃいけない言葉は何かな？」

「キンタマ！」

さすが俺の子だ。不覚にも爆笑してしまった。横目で妻を見ると、やはり不覚にも、という表情を浮かべながら爆笑していた。

みーちゃんには今後は両方絶対に言っちゃダメだよ、と諭しつつ思った。

これは本当に、魔法の言葉だ。

今回も敗北したわけだが、帰宅したら耳元でこの言葉を囁こうと思う。きっと妻は、笑って許してくれるだろう。

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