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パチスロ攻略ライターの思考ルーチン
2021.04.20
A PROJECTで復刻して欲しい機種(1998年)
有利区間1500Gリミッタの変更ですが、Amusement Japanさんで報じられたことによりますと、ゲーム数規制の完全廃止については、業界で推進している「メダルレス遊技機」から実施していく方向とのことです。
Amusement Japan「有利区間1500ゲームリミッタ規制を見直し」
前回も書いた通り、上限の1500Gが3000Gになってもあまり変わらないと思っております(素人の考えですが)。3000Gが無制限になったところで、さらに影響はないことでしょう。もちろん、制限はないほうが自由度は高くなりますけどね。
メダルレス遊技機とすることによる特典はこれだけではないと信じていますが。これだけだとしたらあまりにも……。そう思ってしまうのです。遊技機規則も、もっと突っ込んだ内容で改正されますよね、ね。
パチスロのメダルレス遊技機に対してのパチンコはいわゆる“封入式”となります。従来の営業方法が通用しなくなる。影響はパチスロの比ではないでしょう。
ゲーム性ではなく経営方向ですが、過去にも大きな変革はありました。1990年のパチンコ版プリペイドカード(パッキーカードなど)の導入です。目的は、パチンコホールの経理の透明化や財務の健全化。細々したホールがドンブリ勘定でやっていたら、そりゃ脱税なども多くなるわけです。
脱税したいというわけでなくとも、今まで問題のなかったものから変えるメリットが必要でしょう。その際にアメとムチで生まれたのが“確変機能”でした。この苦境な状況にあって、そのような変革を期待している業界関係者は少なくないかと思います。
いや、真面目に。有利区間の上限が3000Gか無制限かとかどうでも良いんですよ。大当たり出玉と出玉率の幅を緩和(遊技機規則の改正が必要)がなければ、ノーマルタイプは何の恩恵もなくなることになります。
私なんかが書かなくても、偉い方々はご承知かと思いますが。ユーザーを代表して「この程度で済まされないでね」とは申し上げさせていただきます。業界団体の方々、頑張ってくださいませ!
★発表ラッシュの1998年。
A PROJECTで復刻して欲しい機種に話を戻します。今回は1998年。
遊技機規則で認められる出玉の自由度が大きいほど、緩和方面の内規変更も効果を発揮します。ここは掛け算ですね。その威力が抜群だったのは4号機時代の1998年。技術介入機で天下を取りつつあったユニバーサル系からも、意欲的な新時代の機種が登場してきます。
3月:ディージェーブロー(エレクトロコインジャパン)
4月:ディージェー(エレクトロコインジャパン)
4月:シベリアーナ(瑞穂製作所)
4月:グロリアハーツ(瑞穂製作所)
5月:エスプ(瑞穂製作所)
6月:シルバーブレット(ユニバーサル)
6月:バーサス(アルゼ)
8月:サクセション(エレクトロコインジャパン)
8月:ハナビ(アルゼ)
11月:テンタクルズ(瑞穂製作所)
11月:スカルヘッズ(メーシー)
11月:ウイルスショック(アルゼ)
11月:ウルフエムX(アルゼ)
11月:チェリー12 X(アルゼ)
11月:ビーマックス(アルゼ)
12月:ジーセブン(エレクトロコインジャパン)
12月:レインボクエスト(アルゼ)
1995年の『クランキーコンドル』で技術介入機のブームを巻き起こし、1996年の『ゲッターマウス』『タコスロ』などで、それを定着化。1997年の『サンダーV』でさらに飛躍。そんな中で迎えたのが1998年です。
その1998年に“ユニバーサル”から“アルゼ”に社名を変更します。『バーサス』はアルゼ名義となっていますが、リール上で“ユニバフラッシュ”が発生するなどお茶目な事象も起きてしまいました(笑)。
パッと見て、機種数がめちゃくちゃ多いと感じませんか? 17機種もあります。この頃は無職で時間があり余っていましたが、1997年以前の機種だけでも戦えてしまえる状況。正直なところ、新装で触った程度など打ち込めていない機種もございます。
『ディージェーブロー』は前年の『ドギージャム』のスペック違いで等価交換仕様。一部リール制御も変更されており、私は枠上赤7・枠下白7の「プ・リ・ベ」から小役がハズれてもそれだけではリーチ目とならなくなりました。『ディージェー』もドギー系のデザインですが、前年の『サンダーV』の演出違い。単なるスイカではVフラッシュしなくなりました。
『グロリアハーツ』と『シベリアーナ』もデザイン&スペック違い。制御まで違ったかは打ち込めておりません。瑞穂製作所ということで『タコスロ』のようなスベリを期待したものの、オーソドックスな『ハナビ』系のようなハサミ打ちをしたら普通のリーチ目マシンとなった記憶が。面白かったですし、シベリアンハスキーも可愛かったですけど。
と、この調子で全機種を書いていくと終わらなさそうなので、復刻して欲しい機種に移らせていただきます。『バーサス』『ハナビ』『ビーマックス』以外ですね。とすると、ほとんどの機種にイメージがない方も多いと予想します。
ちゃんと『ハナビ』という大ヒット機種も生まれましたし、ユニバーサル系のシェア率も上がっていきました。しかし、純増400枚タイプのノーマル機ではヒットさせる配列や制御のアイデアが弱くなってきた。そんな曲がり角だったかもしれません。
そんな折の内規緩和。ユニバーサル系からも新内規を利用した機種が登場してきます。その1つが大量獲得タイプの『ビーマックス』ですね。既に復刻しているので割愛しますけど。
★エスプ。
内規緩和で誕生したCT機能を搭載しています。当時のCTは“CT付きBIG”終了後にそのまま発動するスタイル。CT中もBIGやREGを抽選しているので、CT BIG → CT消化中にCT BIGという爆発する要素がありました。
世間一般的にはCTがフル規格(枚数やゲーム数が多い)で爆裂する機体が高い『ウルトラマン倶楽部3』が人気となりました。しかし、私はフル規格ではない機種のほうがお気に入りでした。一撃の出玉よりもゲーム性を求めていたんですね。その中でも特にお気に入りなのが『エスプ』でした。
CTの仕様を再現するのは不可能ですが(5号機以降はBIGとの絡みが禁止されている)、獲得枚数が少ないだけにRTで代用して再現できるのでは。そもそも、そこまでの爆裂は期待されていなかった機種ですし。
なぜ、そこまで熱中したか。誰が何と言おうと『タコスロ』の後継機だからです。モチーフはまったく違いますが。
今では当たり前となった普通のチェリー落としを確立したのが『タコスロ』で。本機はその応用編になります。枠下までBARがスベって小役ハズレとなればBIGとなった『タコスロ』に対し、『エスプ』は枠下にノーマルBIG絵柄がスベって小役ハズレとなれば、CT BIG確定ではなく……REGもあるという一捻り感(笑)。
このブロックを書いている間、頭の中で『エスプ』のサウンドが鳴り響いています。というようにサウンドも最高。デザインも素晴らしい。エスパーがモチーフの台ですが、赤7は斜めに。メイン役のスプーンはグチャグチャに歪んでいます。
ユニバ系のシールやスタンプを集めている方は“お前だ星人”を見たことがあるかと思います。この『エスプ』のノーマルBIG絵柄です。リプレイ絵柄は、この“お前だ星人”が着けている指輪ですね。芸が細かいっ!
★サクセション。
“サクセション”とは、連続・継続・継承といった意味があります。その名の通り、それまでに登場したエレクトロコインジャパンの名機たちの良いところを重ね合わせたところがポイント。前回のラストで予告音的に書いてしまいましたね(汗)。
パッと見ただけでネズミはそのまま『ゲッターマウス』、赤7絵柄には『ドギージャム』、BAR絵柄には『スーパーモグモグ』が描かれているのが分かりますね。他にも『ボーナスショップ』や初の4号機となった『チェリーバー』など、リーチ目などいろいろな要素が詰め込まれていました。
まあ、今時の方々に『ボーナスショップ』や『スーパーモグモグ』といってもピンとこないわけです。『スーパーモグモグ』は、ほぼ『クランキーコンドル』ですけど。そんなわけで『サクセション』そのものを復刻して欲しいのではありません。A PROJECT の“サクセション的な考え方”というんですかね。
予告音なしではチェリーが出ない『バーサス』的な要素とか、チェリーを取りこぼしてもプチRTに入る『ビーマックス』的な要素とか。チェリーばかり書いてしまいましたけど。それこそ『サンダーV』シリーズのフラッシュとかいろいろあるわけです。そんな集大成も良いのかなと。
クランキーシリーズだけでもできそうとか思いましたが『クランキーコレクション』がまさにそれですね。クランキーチャレンジで『クランキーコンドルX』も加えていてお見事でした。プラスできるなら『アレックス』『グランシエル』も加えて鳥類大集合とか。また予告音だわ(笑)。
★レインボークエスト。
7ライン機。こちらも内規緩和によって新しく生まれたゲーム性です。5号機以降は、1ライン機が台頭するなど友好ラインが減らされる傾向にあります(特にAT機やART機)。それとは逆で1998年頃の一瞬だけは有効ラインを増やすのがトレンドとなっていました。
詳しいことは割愛しますが、当時は総出目数との兼ね合いで有効ラインを増やせばボーナス確率を上げることができたからです。その関係性が5号機以降は撤廃されて、有効ラインを減らしてもボーナス確率などに影響しなくなって1ライン機や20コマリールが台頭するようになったのです。
なぜ一瞬だけだったのか。このあとに控えていたAT機やストック機に押されて自然消滅的になくなってしまった(正確には隠れ多ライン機はありましたが)。このように見栄えが違うものは絶滅してしまったのです。
面白いとかツマラナイとか評価される以前に“凄い勢いでトレンドが変わってしまった”だけのこと。まだ答え(その作り方の最高峰)は、出ていないと私は思っています。今だからこそ7ライン機は新鮮に写るかも。だとしたら『レインボークエスト』のように見た目からして違うほうが、おっと思わされそう。
いや、作るのはものすごく大変とも思いますけどね。ハズレなのに、追加ラインで小役が揃っちゃったとか。余計なことまで考えなくてはならないので。
あと微妙に好きだったのは『スカルヘッズ』と『ウイルスショック』ですかね。『ウイルスショック』とかこのご時世に名付けたら大炎上しそうですが。
あと『タコスロ』好きなら『テンタクルズ』は? と思われそうですが、復刻は希望しません。ユニバ系で最狂に難しい機種だと思っています。
当時のメディアは、導入されてから調べるのが基本だったので“手順を作れる一般人”は、その雑誌が発売されるまで美味しかったりしたんですよ。でも『テンタクルズ』はBIG中の打ち方があまりにも難しくて諦めざるを得ませんでした。こんな難しいのを仕事でもないのに自腹&一人で検証したくない。そんな思いも編集部に就職しようと思ったきっかけですかねえ。
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- 佐々木真
- 代表作:パチスロ攻略ライターの思考ルーチン
裏モノ全盛期に“ギャンブル”としてパチスロを始めたが、技術介入機時代に最適手順を模索するなど“遊技”としての魅力にはまり、履歴書に大きな穴をあけてしまう。2000年よりパチスロ雑誌などで編集兼ライターの活動を開始。現在は、ほぼすべての機種の発表会や取材に参加。法律・規則などの知識をもとに、根幹システムの推測をライフワークとしている。
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