新着記事
- パチセブントップ
- パチンコ&パチスロコンテンツ
- 元店長カタギリのしくじり機種~歴代パチンコパチスロ事件簿~
- 数多の4号機おじさん達を落胆させてしまった伝説の後継機『5号機アステカ-太陽の紋章-』のしくじり物語。
元店長カタギリのしくじり機種~歴代パチンコパチスロ事件簿~
2023.07.07
数多の4号機おじさん達を落胆させてしまった伝説の後継機『5号機アステカ-太陽の紋章-』のしくじり物語。
元・店長カタギリ 元店長カタギリのしくじり機種~歴代パチンコパチスロ事件簿~
「約20年前のゲーム性でも、ヤング世代は十分に楽しめるのか……」
大盛況のスマスロ北斗のシマを眺めながら、ゴリゴリのオッさんになってしまった私はそう思うのです。ならば過去の名機をどんどんリメイクして世に送り出せば、オールドファンはもちろんのこと当時を知らない若い世代にも響くのではないか。現に北斗だけではなくハナビやゲッターマウス、ディスクアップ等は6号機でも十分に楽しめるのですから。
とはいえ、当時のゲーム性を再現できなければリメイク機と呼ぶには無理があるし、とりわけ当時のユーザーに響かないのは自明の理。「こんなの〇〇じゃねえ!」と吐き捨てられたリメイク機の数々に、私自身も幾度となくガッカリさせられたのも事実。
今回ご紹介する『しくじり機種』もまた、そんな残念機種のひとつです。
とはいえ、捨てたものじゃないなと思わせる部分もありました。そんな、残念だけど嫌いになりきれなかった台をご紹介します。では、さっそく参りましょう。
★今回のしくじり機種は『アステカ-太陽の紋章-(エレコ)』
▲アステカ-太陽の紋章-(2016年/エレコ)
本機のホールデビューは2016年4月。CT機である初代アステカが導入されたのが1999年ですから、17年ぶりのホール再デビューですね。「え、レジェンドとリターンズは?」みたいなコメントには聞こえないフリをしておきますね。
いやー、懐かしいですねアステカ! 私はサボ維持なんて全く出来ませんでしたが、目押しが下手でもじゅうぶんに楽しめましたからね。一度でいいから打ってみたかったなあ、アステカの設定6を……。
しくじりポイント1:初代とあまりにもかけ離れ過ぎた通常時のゲーム性
初代アステカと言えばボーナスとチャレンジタイム(CT)のループによって大量出玉が狙えるマシンでした。
美麗でインパクト絶大な多彩なリーチ目とアステカルーレットによるフラグ察知、ボーナス終了後のCT抽選時の興奮、そして連チャン時の高揚感は1990年代末期に多くのスロッターを魅了しました。アステカのリメイク、その言葉だけでオッさん達は尿漏れパッドの着用を余儀なくされたのです。
が、同時にこうも思いました。
純増1.5枚のART機でアステカを再現できるのかしら、と。 嫌な予感、それは往々にして的中するものです。通常時にレア役を引いてモードアップ、チャンスゾーン中にうまいことやってボーナス、さらにボーナス中に頑張ってARTの『アステカラッシュ』に突入。そう、至って普通。ありふれた5号機じゃないですか……。
この時点でもう、当時のアステカファンは落胆。用意すべきは尿漏れパッドではなく涙を拭うハンケチでした。
同時に「アステカってよく知らないけど昔、大ヒットした機種らしいね?」と興味を持ってくれた若い世代も普通のART機ということで早々に離脱。初代アステカのゲーム性とは程遠い、プロジェクションマッピング採用の液晶画面だけが真新しいだけの台となってしまったのです。
ちなみに私は通常時に一度だけいきなり液晶画面に「サシシを狙え!」と表示されて左リールに狙ったらズバッとサボテン・白7・白7の1確目が停止した時だけ失禁しそうになりましたが、尿漏れまでには至りませんでした。
しくじりポイント2:セールスポイントが活用できていない
本機の最大のセールスポイントはヴァーチャルな世界を作り出せる『プロジェクションマッピング』を採用した液晶画面。ま、この時点で初代アステカに液晶画面なんて付いてなかっただろ、と突っ込みを入れたくなる尿酸値がちょっぴり高めのユーザーが多数存在するでしょうが、まあ許すとしましょうよ。
しかしながら期待されたこの液晶画面、正直に言うと「別に普通の液晶画面で良くない?」としか言いようがない代物なのですよ……。 いや、確かに立体的には見えますよ。もちろんファーストインパクトはなかなかのものですよ、登場するキャラクターも躍動感がありますし、ステップアップした時の高揚感も普通の液晶画面では出せないものなのでしょう。とはいえ、それら全てがゲーム性に噛み合って無いんですよね……。
肝心の立体映像がゲーム性に活かし切れていません。なぜ通常時のレア役成立時や本前兆中に立体映像で煽るといった、せっかくの立体演出を多用して興奮させて欲しかったのに。ま、それだとさらにアステカ感を薄めてしまう結果になるのですが……。
しくじりポイント3:バランスの悪過ぎる出玉率
本機の出玉率は設定1でも99.3%と甘めな反面、最高設定は109%と控え目な数値。我々がいくらオッさんだとはいえ、控え目なのは尿酸値や血糖値だけでじゅうぶん。
つまりホール側は利益を取りにくい機種であるにもかかわらず、高設定でもユーザーの食指が動かない出率なのです。それに加えて純増1.5枚のART機となれば瞬発力も低い。ユーザーから見れば魅力が少なく、ホールから見ても利益が少なく運用面で難アリ。稼働しないのは当然の仕様と言えるでしょうね。
メーカーの狙い所としてはアステカのようにボーナスとARTで長く遊べる機種にしたかったのでしょうが残念、意図に反して「ショボいART」の烙印を押されてしまったのです。
「単独ボーナスの比率多め、純増枚数多めのA+ARTならよりアステカらしさを出せたのでは?」そんな素人考えが浮かぶのですが、そこが開発者の悩みどころであったのでしょうね……。
★元店長カタギリと『アステカ太陽』
なんだかんだと文句を言いつつも本機を何度か打っていた私。最寄りホールのイベント日の夕方、フラリと店内を覗いてみると3台設置のアステカちゃんの真ん中に1台だけ空き台が。
この店のイベント日は3台設置機種の真ん中に高設定を入れる傾向があったので、迷わず着席しつつ履歴を見ると、4千枚近く吐き出した後に2連発で天井を食らって空き台となり避けられた形となっていました。ま、ダメ元で座って見ましょうか……。
結論から言うとこの台は狙い通り高設定だったようで少ない投資で初当りをゲットした後はコンスタントに当りを重ね、天井2連発で吸い込んだメダルを一気に吐き出しスランプグラフはV字回復。しかしながら純増1.5枚の増加速度が足かせとなり、数回のメダル補給がいずれも店員さんがモタモタして5分近く待たされたこともあって結局、閉店取り切れずで終了してしまいました。
メダル補給が遅かったのも含めて4号機時代のアステカを思い出すなあ、みたいな大人の感想には程遠く、リーチ目が止まってボーナス確定、さらにCT中にBGMが止まって連チャン確定、そんな初代アステカの高揚感には遠く及ばないなと、勝った喜びよりも一抹の寂しさが勝る結末を迎えたのであります。
★まとめ~伝説となれなかった5号機アステカ~
多くのユーザーの期待に応えられなかった5号機アステカ太陽ではありますが、初代導入から3年後の2002年にデビューした液晶機『アステカレジェンドR』の後継機と考えると何故か全てを許せてしまう私がそこにいました。
通常時こそ凡庸なゲーム性ではありますがART中は一転してデカチリやリーチ目が出現すればゲーム数が上乗せされる等、アステカ感を精一杯再現させようとする涙ぐましい努力が感じられたからです。
出目と液晶で何とか乗り切ろうとする姿勢。そこがなんともアステカレジェンドっぽくて私は嫌いになりきれなかったんですよ……。 ま、私のような感想を抱いたのはごく少数派だったのでしょう。稼働状況こそが本機の評価と考えるとやはり『しくじり機種』に他ならないのでしょうが、この先に思わぬタイミングで『スマスロアステカ』がデビューしてホールのメイン機種になったりしないかなあと考えると、その時には尿漏れパッドどころか成人用紙オムツが必要になるでしょうね。
5
11
共有する
- 元・店長カタギリ
- 代表作:しくじり店長
シルバ〇アファミリーみたいに小さなパチンコ店の責任者から一転、 雑巾がけがメインの業務となってしまった事務員へとグレードダウン。 そんな設定①のスランプグラフのような半生を、隔週水曜日に連載させて頂いております。 タイトルは「しくじり店長」。 パチ屋の店長が平社員へと降格していく逆サクセスストーリーを、 海物語シリーズの泡リーチを見つめるような気分でお読みください。
本日の人気記事