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パチスロ攻略ライターの思考ルーチン
2018.08.28
サブ基板時代の幕開け(1998年頃から)
夏の終わりの恒例行事。今年も長野県に住む友人と連れスロをしに行って参りました。15年ほど、行くホールも宴会の居酒屋も観光コースもほぼ同じ。詳しい模様は昨年書いてしまったし、特に変わりもなかったので割愛させていただきます(笑)。
旅打ち&連れスロ
定点観測をすることになっているホールですが、認定を多く取らなかったんでしょうね。バジ絆もゴッド系もなくなっていました。『番長3』が10台程度。『ハナビ』と『バーサス』が7台ずつ。ジャグ系が40台くらいかな。それ以外の200台近くはあって4台の総バラエティ状態。特定日などを狙って打つスタイルの方には見向きもされない構成でしょう。
赤字かギリギリのラインで営業していれば問題ない“税金対策”なのでしょうか。それだけ多くの機種を入れ替えることになったのですが、昨年と同様にジワジワとお客さんの数が増えていました。上の設定もなければ、設定1もほぼないのではという状況なのは相変わらず。非ガチ勢にとってはオアシスのようなホールのままでいてくれました。総バラエティかはさておき、昔はこのようなホールが数多く身近にあったものです。近所の人たちの憩いの場というヤツですね。
『クラセレ』以外に打ったのは、『ルパン三世-世界解剖-』と『不二子TYPE-A』。本来ならこのコラムで取り上げるべき一風変わったシステムを持った機種たちですな。『不二子TYPE—A』は、JACゲーム中にJACインを『鉄のラインバレル』方式。難しいのはそこだけ。
『ルパン三世-世界解剖-』は、通常ゲームがボーナス(2種BB)中。たまに1枚がけで1枚払い出すのがCBで、“純粋な通常時と比べれば、その高確状態”という扱いです。なので、規定枚数到達でボーナスが終了して純粋な通常時“ヒーローズロード”に移行すると。そこでは、すべてのボーナスを抽選可能だからMBが揃いまくってモリモリ。陥落する2種BB成立で終了。チャンスゾーン扱いのREG成立で終了の危機となります。
そのチャンスゾーンの最終ゲームなどサンプルを増やして考えたいことはあったのですが、そこそこの設定がないとコインが出てくるビジョンが見えず。断念して『クラセレ』に移動となってしまいました。推定設定2じゃ無理。みんな巻き添えにしてスマン(笑)。
そんなことをやっている連れスロ仲間と出会ったのは、ちょうどいま振り返っている1998年のこと。パソコンを購入してインターネットデビューしたのがきっかけでした。5chが2chと言われるどころか、まだなかった時代。多くの方がお世話になっているであろうP−WORLDもありませんでした。
パソコンを電話線に繋いで、ピーガタンゴトンという音を聞かなければならなかった時代の話です。
☆パチスロも演出時代に。
1998年以降で登場したもの |
・大量獲得機 |
・CT機 |
・多ライン機 |
・サブ基板 |
前回は、出玉に関わる部分を取り上げましたが、今回は“サブ基板”です。リールを動かしたり、コインを払い出したり。そういったパチスロの根幹に関わる部分を担当するのがメイン基板で、液晶などの演出を担当するのがサブ基板となります。
普通に解説するとそうなりますが、メイン基板しかなかった時代の機種でも、BIG中のサウンドなども普通にありました。なので、どの機種がサブ基板を搭載しているのかなど細かいことはわからなかったりします。なので、パチスロにもリール挙動以外の演出が搭載されていった流れということになります。
▲『サンダーV』(メーシー:1997年12月)
パチスロに演出を搭載するきっかけを作った機種こそが『サンダーV』です。5号機で何度もリメイクされている名機ですね。初めて見たときの衝撃。20年も前のことですが、これを上回る機種には出会っていませんし、今後出会うことはないでしょう。
ちなみに、フラッシュ自体は、4号機の元祖『チェリーバー』にも搭載されているので、メイン基板で管理することが可能。『サンダーV』にもサブ基板は搭載されておりません。ただ、演出時代の幕を切ったのは、この機種です。
いまどきの方から見れば、ショボいのでしょう。小役以上の可能性アップとなる予告音。全リール停止後のフラッシュで成立小役を告知。矛盾すればボーナス。たったそれだけですから。しかし、それまでのパチスロには、リールと睨めっこする以外に考えることがなかったのです。ファミコンしかなかった家にプレステがきたような感動なわけです。
古いタイプの人間は、こういった変化を嫌います。パチスロはリールが命だろとか言っちゃって。ただね『サンダーV』は、そのリール部分も抜かりなかったんです。予告音とフラッシュがなくても成立ゲームは完全に見抜けます。個人的な主観も入りますが、リーチ目もまた美しいものからマニアックなものまで網羅されています。従来のパチスロの面白さはそのままに。演出がなくても遜色ない機種に、ちょい乗せされていたのです。
☆パチスロサウンドも充実期。
また、この頃に花開いていた“もう1つの文化”も見逃せません。BIG中のサウンドです。5号機でリメイクされた『ハナビ』や『バーサス』も基本のものは初代を踏襲しています。そのサウンドです。
「またオッサンのノスタルジックな話が始まった」と思われるかもしれませんが(笑)。デザインとサウンドだけで世界観を作らなければならなかった時代。作曲していた人たちの覚悟も違いましたし、各メーカーもそういった人材の確保に努めていました。ユニバーサル系に限らず、名曲が多く誕生したのは、液晶の無い機種が普通だった1997年から2002年あたりです。
もっとも、音楽というものは多くの回数を聴いているほど名曲と感じるフシがるものです。曲数はボーナス揃いの種類のみで基本は2曲。聴く回数を簡単に増やせるノーマルの400枚タイプが多かった時代という追い風もありました。まあ、でもやっぱり曲ですな。フュージョン系として普通に格好良い曲が多いと感じます。これも主観ですけど。
前述の長野への往復の車は、パチスロサウンド鑑賞会となりがちなんですが。ちゃんとしたスピーカーを通すと聴こえ方が変わったりするんですね。また、打ちながらなので払い出しのSEがそこに加わったりも。パチスロのスピーカーで打ちながら聴かせることも当時の作曲者は意識していたかと思います。
私は“サウンドも打つ意欲”に繋がっていました。「あの曲を聴きたいな」と。もちろんYoutubeもない時代です。パチスロを打っていたからこそ出会えた曲達です。自分で打って、自分の台のスピーカーで響かせる。これしかないわけです。残念ながら5号機以降でそう感じた機種は1機種もありません。リバイバルを除いて。歌だったらCDのほうがクリアでいいでしょ。
携帯電話が普及したのもこの辺りと重なりますね。着メロに設定する人も実に多く。わかる人だけわかるといった感じ。当時のパチスロサウンドは、3和音か4和音で再現可能なものばかりで、相性も良かったのはあるでしょう“音の情報量が少ない”のも、覚えやすさに繋がっています。
しかし、凄いと思わされるのは『ニューパルサー』ですね。4号機初期にしてFM音源を採用。ボーナス中のオリジナルサウンドの礎となっています。それをユニバーサルが昇華させて、他メーカーにも普及していく。名曲揃いの大音楽戦争の勃発でもありました。
☆サブ基板搭載の意味。
そんな時代の流れを受けて搭載されるようになったのがサブ基板です。メイン基板は容量が少なすぎて、音楽を良くした分だけパチスロ機が本来使うはずのリール制御などのスペースを圧迫してしまいます。出玉に関わらない演出やサウンドを担当する基板を使わせて欲しい。そのような陳情が認められてのことでした。
サブ基板は容量の規定もありません。最大積載量は積めるだけ。サウンドもファミコンからプレステ仕様に。着メロも4和音から16和音へと移行していきました。もちろん、それで出玉が変化することはありません。
▲初の液晶搭載機『ゲゲゲの鬼太郎』(サミー:2000年1月)
演出もいろいろなことが出来るようになっていきます。そして初の液晶搭載機も登場します。5G目にカラスが飛べば設定変更がわかったりもしましたが、出玉に影響を与えるものではありませんでした。しかし、言うまでもないでしょう。品行方正で終わる業界ではありません。
▲爆裂AT機時代へ『獣王』(サミー:2001年1月)
出玉に関わらないはずのサブ基板が中心となる時代がやってきます。4号機では規制されましたが、5号機でまた復活。そして、また規制。いまのペースで書いて行くと、もう少しあとの話になりますけどね。
サウンドのことをかなり書いたので、佐々木が選ぶパチスロサウンド心の中のベスト11でも。Youtubeとか貼りたいところですが、権利関係がわからないのと、無駄にスペースを取るので割愛します(汗)。
■CCエンジェル(メーシー)
■サンダーV(メーシー)
■エスプ(瑞穂製作所)
■ドギージャム(エレコ)
■アレックス(ユニバーサル)
■アラベスク(山佐)
■ナイツ(山佐)
■ビーナスセブン(オリンピア)
■スーパースターダスト(オリンピア)
■南国育ち(オリンピア)
■兜(パイオニア)
ベスト10でないのは1つ削るのを放棄したから。かといって20書くと多いし(笑)。ここら辺は、ふと頭をよぎりますね。性質上、お名前も存じ上げませんが。この作曲家さんたちが、いまどういうのを作っているのか興味あります。
さてさて。次回は激動の時代に移っていくのか。その頃のホール事情を書くのか。また考えます。
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- 佐々木真
- 代表作:パチスロ攻略ライターの思考ルーチン
裏モノ全盛期に“ギャンブル”としてパチスロを始めたが、技術介入機時代に最適手順を模索するなど“遊技”としての魅力にはまり、履歴書に大きな穴をあけてしまう。2000年よりパチスロ雑誌などで編集兼ライターの活動を開始。現在は、ほぼすべての機種の発表会や取材に参加。法律・規則などの知識をもとに、根幹システムの推測をライフワークとしている。
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