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パチスロ攻略ライターの思考ルーチン
2019.11.19
6号機の遊技機規則を読んでみよう(11):構造に関する規格
まずは、前回掲載分のお詫びから。6.1号機へと動いているといった内容でしたが、フライングが過ぎました。中身は確定ではございません。不確かなことを書いて申し訳ございませんでした。正式に決まったら、読んでまた考えたいと思います。
話を変えないとコラムに進んでいけないので変えますが。みなさん『ピラミッドアイ』は打たれましたか? 50枚あたりの回転数は約22Gで、ボーナス確率は設定1でも約1/40。ボーナスで得られる枚数は、BIGで約130枚。REG(内部的には枚数の少ないBIG)だと約40枚。コインをたくさん出すには設定とヒキは必要ですが、短時間の実戦でもダイジェスト動画を見ているように当たってくれるわけです。
大量獲得よりも、多くの初当たりを喜びたい。多く当たるならベースは低くて構わん。そんなセッカチな私には最適です。いやいや、それだけではありません。出玉率もフル攻略なら設定1でほぼ100%。設定6なら110%と優秀です。ボーナス確率も高いですし、展開の紛れもないので安定感も抜群。 ピラミッド絵柄がリーチ目役なので押す位置が限られるとか、2段階設定は物足りないとかありますが。時間がなくてもちょっと様子を見たくなる、空いていたら1000円勝負したくなる機種は久々。なんか嬉しくなっちゃいました。そして、痛感させられました。1/40程度でも短時間ではまったく安定しないって(笑) 中身を知って、毎ゲーム同じ確率と戦い、結果に一喜一憂する。これがパチスロの初心に返った思いで楽しめましたよっと。
そんなわけで、中身を知るために遊技機規則のお勉強に戻ります。と言っても細かいことは前回までで終わっています。こんなことも決められているんだというくらいで。ウイニングランを楽しむかのようにまったりして頂ければ幸いです。
(1)性能に関する規格
イ:回胴回転装置の構造に関する規格は、次のとおりとする。
(イ)回胴回転装置は、遊技者が直接操作する場合のほか、作動させることができない構造を有するものであること。
(解釈基準)
「直接操作する場合」とは、遊技者の身体の一部を使用し、遊技機に接触して遊技を行うことであると解する。
(佐々木の解説)
回胴回転装置とはレバーのこと。どこか体で触れなくてはならないので、オートスタートのようなことはできないのですね。
(ロ)回胴回転装置は、その作動中に回胴を動揺させないように回胴を回転させる構造を有するものであること。
(解釈基準1)
「動揺」とは、振動、回転速度の変化、回転軸の位置の変化等、回胴の上の図柄の判別及びその停止に影響を与える回胴の動き((1)イ(ホ)に示す回転の動きは除く。)のことであると解する。
(解釈基準2)
遊技機が、回胴を振動等させることを可能とする性能を持つものである場合には、回胴回転装置を動揺させる性能を持つものであると解するため、当該遊技機の当該性能は、本規定に抵触する。
(佐々木の解説)
個人的には好きな文章です。解釈基準がなければ「動揺って何よ?」と叫びたくなります。可愛いキャラの絵柄を押しまくって動揺させてみたいものです。 解釈基準に出てくる「((1)イ(ホ))は、リールの回転速度が一定となるまでのストップボタンが効かない状態のこと。振動という言葉はバウンドストップなどを連想しますが、普通に搭載されているので抵触するものではありません。世に出る機会では絶対に起こらない見たことのない動きとなるのでしょう。
ロ:回胴の構造に関する規格は、次のとおりとする。
(イ)すべての回胴の大きさは、同一であること。
(解釈基準)
「すべての回胴」とは、回胴回転装置で制御される回胴であると解し、演出に用いる回胴等は含まれないものであると解する。「回胴の大きさ」とは、物理的な構造物たる回胴の上の図柄が印刷されている部分の直径及び幅のことであると解する。
(佐々木の解説)
回胴とはリールのこと。解釈基準に書かれていますが、演出用のリールは含まれません。サミーの『パチスロ輪廻のラグランジェ』は、左リールが演出用リールとなっており、メインは中・右・小窓リールとなっていました。この場合、小窓リールも同じ大きさでなければなりません。 ちなみに、『ラグランジェ』の左リールは演出用リールなので、リールの回転速度も異なっています。同じにしてしまうと、他のメインリールの目押し補助になってしまうからだそうです。これは内規ですね。
(ロ)すべての回胴の回転軸は、同一の直線上にあること。
(解釈基準)
「すべての回胴」とは、回胴回転装置で制御される回胴であると解し、演出に用いる回胴等は含まれないものであると解する。回胴の回転軸は、全て一本の直線上に存在するものである。
(佐々木の解説)
こちらも演出用のリールは含まれません。大昔の『大花火』など鉢巻リールが横向きにできたのも。『ゲッターマウス7R』など、ミニリールがメインで上に出目演出用リールを置けたのも、この解釈基準があるからです。
(ハ)図柄の数は、1の回胴につき21を超えず、かつ、すべての回胴につき同一の数であること。また、すべての図柄の種類の数は、10を超えるものでないこと。
(解釈基準)
「すべての回胴」とは、回胴回転装置で制御される回胴であると解し、演出に用いる回胴等は含まれないものであると解する。
(佐々木の解説)
メインリールに配置できるコマ数は、パチスロが法制化された1号機から最大で21。下限はありません。ストップボタンを押してから0.19秒以内に停止しなければならないので、ゲーム性を保つにはそれなりのコマ数は必要となるでしょう。絵柄の種類は、4号機までは最大7種類で、5号機以降は最大10種類までとなっています。
(ニ)図柄は、鮮明であり、かつ、遊技者に識別しやすいものであること。
(解釈基準)
「識別」とは、一の図柄の種類と他の図柄の種類を見分けることが可能であることであると解する。
(佐々木の解説)
役構成にも絡まない薄い絵柄をブランク絵柄と呼んだりもしますが、本当にブランクでは認められません。ベルの内側が左向きか右向きかといった細かい違いも許されていますが、識別しやすいとは思えませぬ(笑)
(ホ)図柄の大きさは、縦25mm以上、横35mm以上であること。また、図柄の大きさは、図柄の種類に応じて、すべての回胴につき同一であること。
(解釈基準)
「すべての回胴」とは、回胴回転装置で制御される回胴であると解し、演出に用いる回胴等は含まれないものであると解する。「縦」とは、回転方向のことであり、「横」とは、回転に垂直な方向のことであると解する
(佐々木の解説)
絵柄の大きさもしっかり決められています。ミニリールにするにも限界があるということですね。
ハ:回転停止装置の構造に関する規格は、次のとおりとする。
(イ)回転停止装置は、遊技者が直接停止ボタン等を操作する場合のほか、作動させることができない構造を有するものであること。
(解釈基準)
「直接停止ボタン等を操作する場合」とは、遊技者の身体の一部を使用し、停止ボタン等に接触して遊技を行うことであると解する。
(佐々木の解説)
4号機までは「遊技者が“手により”停止ボタン等を操作」と書かれていましたが、5号機から微修正。いや、ちゃんと手で優しく扱うべし。最近は減りましたが、リールを回しっぱなしにしているとリールが自動停止する機種もありました。それは回胴停止「装置」には含まれないのでしょう。 4号機の『クランキーコンドル』や『タコスロ』は、レバーを下げたまま40秒待ち、自動停止する状態にしてからレバーを一瞬上げる(自動停止を有効にする)ことで、ストップボタンを使わずとも目押しができたりもしました。スロゲーセンで見かけた方は試してみてください(笑)
(ロ)回転停止装置は、1の停止ボタン等の操作により、当該停止ボタン等に対応する1の回胴の回転を停止させる構造を有するものであること。
(解釈基準)
「操作」とは、人間が目的物に対して何らかの意図を持って直接的に作用を及ぼすことであると解する。停止ボタン等と当該停止ボタン等の操作により停止する回胴との関係が一対一でない又は変更することが可能である場合には、遊技機が、役物の作動を任意に調整することを可能とする性能を持つものであると解し、「遊技の公正を害する調整を行うこと」を可能とする性能を持つものであると解するため、当該遊技機の当該性能は、(1)ヌ(イ)に抵触する。
(佐々木の解説)
各ストップボタンは、ちゃんと決められたリールの停止に使いましょうということ。先ほど例に出した『ラグランジェ』は、左ボタンを押すと、左の演出用リールと右端の小窓リールが停止しました。ストップボタンの位置との整合性はなくても構わないようです。 「(1)ヌ(イ)」は、遊技の公正を害する調整を行うことができないこと。解釈基準がたくさんあった項目でした。
ニ:遊技機の枠は、回胴の回転軸が容易に動揺しないように回胴の回転軸を固定する構造のものであること。
(解釈基準)
なし
(佐々木の解説)
リールで遊技結果を見せることが大事なので、回転軸をしっかり保てる筐体にしようということですな。
ウイニングランも途中ですが、続きは次回以降ということで。いかん、終わってしまう。その次はどうしましょうか……。
今後のお品書き。
(2)構造に関する規格
ホ:ガラス板等の構造に関する規格
ヘ:受け皿の構造に関する規格
ト:その他
(3)材質に関する規格
イ:回胴の材質に関する規格
ロ:遊技機の枠の材質
ハ:ガラス板等の材質
ニ:その他
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- 佐々木真
- 代表作:パチスロ攻略ライターの思考ルーチン
裏モノ全盛期に“ギャンブル”としてパチスロを始めたが、技術介入機時代に最適手順を模索するなど“遊技”としての魅力にはまり、履歴書に大きな穴をあけてしまう。2000年よりパチスロ雑誌などで編集兼ライターの活動を開始。現在は、ほぼすべての機種の発表会や取材に参加。法律・規則などの知識をもとに、根幹システムの推測をライフワークとしている。
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