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パチスロ攻略ライターの思考ルーチン
2020.11.03
景品交換のスタイルが変わる? 大阪の二物二価。
個人的にかなり気になるニュースが入ってきたので、過去の機種の話から一転して、今のホールの話を書きたいと思います。
パチンコ・パチスロを打つ方であれば、なんとなくでも一物一価という言葉を聞いたことがあろうかと思います。パチスロが等価交換だったならば、パチンコも等価交換にしなさい。2011年頃より警察庁が指導を強め、結果としてレートが統一されることになりました。
しかし、この11月1日より大阪府ではパチンコとパチスロのレート(交換率)を変えるホールも出てきています。
地方によっては今でもパチンコとパチスロでレートの異なるホールがあったりもしますけどね。そういった局地的な話ではなく、全国的に変わっていくかもしれない。そんな業界に一石を投じるような出来事と感じています。
パチンコの出玉基準 | ||
---|---|---|
下限 | 上限 | |
1時間 | 33% | 220% |
4時間 | 40% | 150% |
10時間 | 50% | 133% |
パチスロの出玉基準 | ||
---|---|---|
下限 | 上限 | |
400G | 33.3% | 220% |
1600G | 40% | 150% |
6000G | 50% | 126% |
17500G | 60% | 115% |
個人的には、パチンコとパチスロのレートを変えるのは大賛成。そもそもパチンコとパチスロは別物。遊技機規則で定められている出玉率の幅も異なっています。
パチスロが6号機となるタイミングの遊技機規則改正で少し差は詰まりましたが、パチンコのほうが出玉に寛容です。貸料金が違うといえど、同じレートで運用する方が乱暴だと感じておりました。事実、一物一価が進む直前の2000年代はパチスロが等価交換でパチンコは30玉交換くらいがメジャーでしたし。それぞれのゲーム性に合ったレートに越したことはないと考えるのがユーザーとしては当然でしょう。
ちなみに、出玉率の表でパチスロがゲーム数になっているのに対し、パチンコが時間になっているのは1分間に100発しか打ち出せないと決まっているからです。止め打ち? いたしません。
★そもそも『一物一価』ってなに?
一物一価が推し進められると結果としてレートが統一されると書きましたが、実際にはこのように考えると話は早いかと思います。
一物 = 同じ景品
一価 = 同じレート
パチンコが30玉交換で、パチスロが5枚(等価)交換だった場合。1000円分の特殊景品と交換するにはパチンコだと300玉、パチスロだと50枚が必要となります。これを貸料金ベースで考えるとパチンコは1200円、パチスロは1000円分ということになりますね。
1000円の特殊景品が同じ物であれば、同一店内で価格を変えて提供しているということになり、特殊景品の市場価格がいくらであっても「どちらか一方は等価交換違反」となってしまいます。さて、ややこしいワードが出てきました。等価交換です。
ここでの等価交換はレートのことではありません。風営法では賞品の提供方法に関する基準も書かれており、「当該遊技の結果として表示された遊技球等の数量に対応する金額と等価の物品」を賞品として提供することと定められています。とは言っても具体的には分かりにくいですよね。2011年に福島県警から出された通達には、等価交換規制に違反する賞品提供の例として以下のように書かれています。
○同じ賞品について、遊技球の数量に対応する金額と遊技メダルの数量に対応する金額との間に差異を設けて提供すること(例:同じ賞品でありながら、遊技球では1,000円相当の数量、遊技メダルでは800円相当の数量で提供すること。)。
○同じ賞品について、遊技料金により遊技球及び遊技メダルの数量に対応する金額に差異を設けて提供すること(例:同じ賞品でありながら、遊技料金が玉1個につき4円の遊技球では1,000円相当の数量、遊技料金が玉1個につき1円の遊技球では1,200円相当の数量で提供すること。)。
これを遵守すると、パチンコとパチスロのレートは同じでなければならない。4パチと1パチも同じレートでなければならない。そういうことになります。
参考:ぱちんこ営業における適切な賞品提供の徹底について(依命通達)
★大阪は「一物二価」でなく『二物二価』。
昔のホールは、パチンコとパチスロで、同じ特殊景品に交換するにもレートが異なっていました。それを一物一価のようなワードで示すならば、一物二価ということになります。その方式は、福島県警の通達にあるようにNGとされてしまっています。では、なぜ大阪は今回レートを変えられたのか? その答えとなるのが、二物二価です。
二物 = それぞれの景品
二価 = それぞれのレート
ということですね。パチンコ専用の特殊景品を用意して、パチンコ独自のレートを採用する。同様にパチスロ専用の特殊景品を用意して、パチスロ独自のレートを採用する。一物二価は禁止されていますが、特殊景品が別の二物であれば。二物二価なら法律違反ではないだろう。そのような理屈かと思います。
単純計算で特殊景品を今の倍の種類を用意しなければならないとか、パチンコを打ったユーザーが「やだいやだい、パチスロの方の特殊景品が欲しいんだい」とゴネたらどうするかとか運用上の問題点は出てきそうですが(笑)。
二物二価が認められれば、多物多価もできるということに繋がるので。1パチ・4パチ・5スロ・20スロでそれぞれ別のレートということも可能になります。もちろん、それぞれ特殊景品を別に用意しなければなりませんが。それはそれで大変そう(笑)。また、それぞれレートが異なるので、貯玉再プレイの乗り入れがどこまでできるかという次の課題も出てきそうですね。
全国的にこの流れが広まるかは分かりません。ただ、冒頭で書いたようにパチンコとパチスロで同じレートなのは乱暴と思っているので、広まって欲しいと思っております。あとは警察庁がどう出てくるか。ここまで二物二価の方式が出てこなかったように前向きではないことは確かでしょう。
大阪府警が容認しているか気になるところです。容認しているとしますと警察庁vs大阪府警という構図になるのでしょうか。大阪府警といえば、昭和36年に現在の三店方式を確立させたことでも知られています。その際にも警察庁からの横槍を跳ね返したとか。なので、ちょっと期待しています。
業界的な動きでいえば、保通協の出玉試験方式が変更されたとの話も聞いていますが。正確なニュースが出てくるまで自重しておきます。ちょっとはパチスロの適合率がちょっと上がるのかな?
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- 佐々木真
- 代表作:パチスロ攻略ライターの思考ルーチン
裏モノ全盛期に“ギャンブル”としてパチスロを始めたが、技術介入機時代に最適手順を模索するなど“遊技”としての魅力にはまり、履歴書に大きな穴をあけてしまう。2000年よりパチスロ雑誌などで編集兼ライターの活動を開始。現在は、ほぼすべての機種の発表会や取材に参加。法律・規則などの知識をもとに、根幹システムの推測をライフワークとしている。
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