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ドン2の配当表を(ほぼ)完全解説する
ドン2の配当表を(ほぼ)完全解説する
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sin sparkさん
面白いものを作る人になりたい。 ちょっとプログラミングができるアクロスおじさんです。 - 投稿日:2023/04/12 01:24
ご無沙汰しております。sin sparkです。
昨今少々忙しく、あまりスロットを打てていない現実があります。
ちょっと出費が多く貯金が減ったのもありますが…((
とあるイベントがあり、飛ぶようにお金が消えていきました←
消えていったといえば、スロットにおける「配当表」もそうですね((こじつけ
しかし思い出してみましょう。6号機Aプロ第一弾「ドンちゃん2」には
まだ配当表が掲載されていたことを思い出せる人はほとんどいないと思います。
今回は、そんなドン2の配当表を心行くまで深堀りしてみたいと思います。
この記事で少しでもスロット開発の技術の方々が報われると信じて…。
【とりあえず配当を並べてみる】
さて配当表を語るには、まず現物がないと始まりません。
ここにすべて収録してきましたので、まずは列挙します。
(タイムラプスで連続撮影したため、画質悪いのはご勘弁…orz)
…うん。これだけページが多いと分かりにくいですよね…。
そこで出血大サービス!!
5号機のパネルにあったような形で全配当表をまとめたものを載せます♪
【おしながき】
して今回記事で触れたい役構成、お品書きはこんな感じ。
1. ドン2における七七[HANABI]
2. チェリー配当表は引き算の美学
3. BB中12枚、3枚かけボーナス故の大変さ
4. BB中の技術介入、9枚役がないぞ?
5. 孤立した謎の特リプ出目
それでは、順番に紐解いていきましょう♪
リール配列をパチ7機種ページから頂いてきましたので、ここで参考に確認してくださいb
【1. ドン2における七七[HANABI]】
以前、こんなコラムを書きました。
【今更解説】現代ハナビに七七[暖簾]が出来たわけ
https://pachiseven.jp/columns/column_detail/19128#contents
5号機ハナビ・新ハナビは、バケ成立中の変則押し時に暖簾下段から
中段チェリーが出ないよう、4号機にはなかった七七[暖簾]という
配列をRB配当として扱う工夫があったのです。
ドン2もこれと同じ…特徴はあるのですが事情は少し違います。
実はドン2の場合、4号機から七七[HANABI]はRB入賞目なのです。
6号機ドン2は左が[HANABI]サンドになったので、左を3rdで止めない限りは
中段チェリーを出さずに済みます。
どちらかというと、ドン2の場合は4号機の継承、という意識の方が強いのかな…
という個人的な見解があります。ちゃんと当時の仕様が残るって、いいですよね♪
【2. チェリー配当表は引き算の美学】
さて次はチェリーのお話。ここからは、ちょっとした記号を定義して説明します。
まずは紛らわしいものを含め、各図柄に対して記号を付けましょう。
R7:赤七 D1:花火玉ドン
D2:ビリードン KB:[HANABI]
R1:花が薄いリプレイ R2:花が濃いリプレイ
B :提灯 I :涼
C1:普通のチェリー C2:水風船チェリー
とします。
ここで皆様が思うのは、チェリー配当は画像でまとめても分かりにくいということでしょう。
それなら、こんな感じで表にまとめてみるのが理解するのにピッタリです♪
#Cが書かれた横方向は中リール、#Rが書かれた縦方向は右リールのシンボルを指します。
ここで、表中の記号は下記を表すことにします。
3 → 3BET:2
31→ 1,3BET:2
3A→ 3BET:2 RB中:15
R → 3BET:REPLAY
さて、表の下に並べた停止形は右下の1つを除きボーナスが揃っています。
ここで、中段に揃っている左がチェリーから始まる組み合わせを表で確認してみましょう。
…あら不思議。チェリーから始まる組み合わせが配当(2枚)から外れてしまっています。
これは5号機にできた「小役とボーナスを同時に揃えられない」という規則を守りつつ
チェリーつきボーナス絵柄を実装することに成功した、3リール払い出しによるチェリーです。
3リール払い出しによるチェリーを採用して新しくスロットを作る場合、
ボーナスとチェリーを同時に入賞させないようにこんな方法がとられます。
A.チェリー付きでボーナスが揃う形を確認する
(必要に応じチェリー中段のほか、チェリー上段・下段からの形も確認)
B.チェリーの配当から、ボーナスが同時に揃う形を抜く
C.左第3停止以外で中段チェリーを止める場合、チェリーを外せるよう追加で配当を抜く
この方法は「チェリー:ANY:ANY」から配当を引き算していく考え方となります。
そして残った形を効率よく定義しようとすると、非常に面倒な配当表になってしまうのです。
これを読んだあなたは、チェリーに対する見方が少し変わるかもしれません♪
…ここから先は小ネタになります。
実はドン2において、バチェバから右上がりに[HANABI]が揃うことはありません。
右上がりに揃った場合の中段ラインは「C2 - KB - B」という組み合わせが構成されますが、
この組み合わせには3BETにて2枚の配当が用意されているためです。
逆押し右上段からRBを揃える場合、中リールは上段に[HANABI]が止まるか
遅めに押した場合は七が上段or中段に振ってくる形を構成します。
つまり、逆押し[HANABI]右上がりテンパイはボーナスが成立していればBB確定となります♪
さらに。画像右下の停止形はボーナスが揃っていませんが、チェリーの配当もありません。
かなりゴツイ停止形ですが、面白いのは逆押しでこの目を止めると第3停止で
RB→BBの逆転を演出できることにあります♪ そんな制御が実在するかは分かりませんが←
【3. BB中12枚、3枚かけボーナス故の大変さ】
記事が長くなってきたので、配当表をもう一度掲載しましょう。
ここから先はこの画像の下側、BB中のみ有効な配当を紐解いていきます。
素直な感想を言うと、これらは一見何の意味があるのかさっぱりわかりません。
全くでたらめな組み合わせが、なぜか12枚の払い出しを持っているように見えます。
しかし驚くことなかれ、以下の画像と解説を見るとすべてのピースが繋がります。
画像左側の5枚は複合役を取れない中段提灯揃い…なんですけども。
よく見るといずれの停止形も右上がりにBB中のみ12枚が揃っているではありませんか。
揃っているのは「KB/R1/R2/I - B - R7/D1/KB/C1」の12枚。
実はこの配当にはこんな法則があります。
左リール「KB/R1/R2/I」は、左リールいずれかの「B/R7/D2」の1コマ下に配置されている
右リール「R7/D1/KB/C1」は、右リールいずれかの「B」の1コマ上に配置されている
ここで「R7/D2」は、変則押し時に「B」つまり提灯の代用絵柄となるものである
信じられない人のために、もう一度配列を以下に置いておきます。
言っていることは確かに成り立っていることが分かると思います。
この事実を利用すると、
「中段に提灯(左の代用絵柄含む)を揃えた場合、右上がりに12枚役も自動で揃う」
ことになります。実は毎回の払い出しは複合役で取れていたんですね。
ではなぜこんなことをしているのか。
実はボーナスが3枚掛けで進行する場合、メイン小役である提灯の払い出し枚数を8枚から
変更することができません。このためボーナス中に提灯が12枚になったと「見せかける」
ために、わざわざBB中限定の12枚役を定義し、提灯と重複して揃えているのです。
ちなみに、通常時の配当(提灯・チェリー)も生きているため、計算上の払い出し枚数は
12+8=20枚などとなったり、それ以上になったりします。
しかしドン2の3BET最大払い出し枚数は12枚。計算上は多く払い出せても
実際の払い出し枚数は12枚に制限されます。
…これで話が終わればよかったんですけど。
まだドン2には技術介入要素「提灯+チェリーのW奪取」があります。
これについても解説をしなければなりません。
画像中央の行は上段 に提灯がテンパイした場合の停止形。
画像右側の行は右下がりに提灯がテンパイした場合の停止形。
いずれもビタ押し成功時・失敗時の停止位置を考えて並べています。
<上段に提灯がテンパイした場合>
この時基本となる配当は「R7/D2/B - KB/R1/R2/C1 - R1/R2」です。
中リール「KB/R1/R2/C1」は中リールいずれかの「B」の1コマ下に配置されています。
右リール「R1/R2」は右リールいずれかの「B」の2コマ下に配置されています。
つまり「上段に提灯(左の代用絵柄含む)を揃えた場合、右下がりに12枚役も自動で揃う」
ということが成り立ちます。基本的な考えは提灯中段揃いと同じです。
目押しを早い方向にミスしたとき、配当「KB/B - KB/R1/R2/C1 - B」の出番が来ます。
この配当は基本配当と中・右リールでX字を描くようにテンパイします。
左を目押しした位置で止められるよう、左は技術介入位置周辺に多くあるコマ
「KB/B」を含んでおり、ミス位置でビタ止まり12枚が取れる仕組みになっています。
X字の配当なんて普通思いつきません。ビタ押しへの執念を感じますよね…♪
<右下がりに提灯がテンパイした場合>
この時基本となる配当は「KB/R1/R2/I - B - R7/D1/KB/C1」です。
左リール「KB/R1/R2/I」は左リールいずれかの「R7/D2/B」の1コマ上に配置されています。
右リール「R7/D1/KB/C2」は右リールいずれかの「B」の1コマ下に配置されています。
つまり「右下がりに提灯(左の代用絵柄含む)を揃えた場合、中段に12枚役も自動で揃う」
ということが成り立ちます。実は入賞ラインが変化しただけだって気づきました?
なお右リール中段がR7以外の場合、もう一つの12枚役「R7/D2/B - KB/R1/R2/C1 - R1/R2」
が上段に複合して揃います。どちらも成立小役なので、これはルール上問題ないのです。
目押しを早い方向にミスしたとき、配当「KB/B - KB/R1/R2/C1 - B」の出番が来ます。
基本的な考えは提灯上段テンパイと同じですが、今回は下段で基本配当のフォローを
してくれます…なんて便利な配当なのでしょうか。
なおここで2コマ早く押した場合、12枚役が中・下段で複合して揃う形を取ります。
【4. BB中の技術介入、9枚役がないぞ?】
これは結論から提示します。
9枚役はBB中限定の3枚役を平行3ラインで複合入賞させて払い出しています(!?)
上記の画像は一例ですが、技術介入成功時は下記3つの配当が同時に揃います。
これらはすべてBB中限定の3枚役となります。
・D2 - R1/C1 - R7/D1/KB/C1 (上段)
・D1 - B - B (中段)
・D2 - KB/R1/R2/C1 - I/C2 (下段)
ここで、上記配当とリール配列は下記の関係を持っています。
よって3連図柄をビタ止めると中・右の提灯はいずれの場所でも問題ないことになります。
・中リール「R1/C1」は中リールいずれかの「B」の1コマ上に配置されている
・中リール「KB/R1/R2/C1」は中リールいずれかの「B」の1コマ下に配置されている
・右リール「R7/D1/KB/C1」は右リールいずれかの「B」の1コマ上に配置されている
・右リール「I/C2」は右リールいずれかの「B」の1コマ下に配置されている
して、なぜわざわざ3ラインで入賞させなければならないのでしょうか。
それには「枚数優先制御」と「組み合わせ優先制御」が関与してきます。
画像の左右は目押しに失敗した場合に12枚が取れる形です。
この時入賞しているのは、目押しが早くても遅くても「D2/B - B - B」および
「KB/R1/R2/I - B - R7/D1/KB/C1」の2ラインとなります。
ここでビタ押しに失敗した場合「枚数優先制御」とすると、問題なく12枚が取得できます。
ビタ押しに成功した場合に「組み合わせ優先制御」とすると、2ライン12枚より
3ライン9枚が優先される制御を取ることができ、初めて技術介入が行えるようになります。
技術介入を行うために、入賞ライン数を基本パターンより増やすことが必須だったんですね♪
【5. 孤立した謎の特リプ出目】
最後に「ほぼ」完全解説する、という謳い文句の原因となってしまった
「情報提供求む!」な謎配当を紹介します。
それは3BET:REPLAYのところにしれっといる「D2 - R2 - B」という配当です。
一応すぐに考えられる入賞停止形にこんなものがあるんですけど(リーチ目)
通常のリプレイも揃っていますし、これだけのために定義があるとは思えないです。
ただ中リールのR2は1コマしかないため、汎用性があるとも思えないんですよ。
中押しドン狙いなど、変則押しの特リプ用に何か使ってるんですかね…?
この特リプを見たことある人はぜひ情報を頂けると嬉しいです。
【まとめ】
ということで、ドン2の配当表を(ほぼ)完全解説する。いかがでしたでしょうか。
Aプロの技術は1枚役だけだと思われがちですが、それだけにとどまらず
実にこれだけ多くの検討を重ねることによってAプロは完成しています。
なのですが、これらは面白さに直接は関わらない部分。
オリスロを作ってて思うのですが、ここに日が当たらないのは少し寂しい気持ちになります。
Aプロチャンネルでもほぼ話題にならないですしね…。こんなに考えられているのに。
仕事にしている業界が違うとはいえ、実は技術者として働いている私。
「楽しい」を演出するために、見えない苦労を少しでも理解して共有出来れば。
色んな人と話すうちに、少しずつこの気持ちが浮かんでくるようになりました。
そんな面白いスロットを作ってくださる技術者の皆様へ敬意を表し、
この記事を締めさせて頂ければと思います。
こんなすごい技術が詰まっているんだ!と時々思い出してくれれば、私は嬉しいです。
12
sin sparkさんの
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このコラムへのコメント(14 件)
本音を言うとそうなんですけどね。
みんなが興味を持ってくれない限りは
復活してくれない気がします…orz
ほんと配当表は欲しいよね。あとリール制御表。
次の7号機?ノーマル復活時には再びお目にかかりたいねえ
やだなあ、「考察」が好きなだけですよ。
面白さを探求するための技術の奮闘っぷりといったら、
これほど恐ろしいものはないですね…☆
本当の苦悩は消費者が気づきにくい所に表れる…
スロットだけでなくどんなものに対しても同じかもしれません。
そして、面白いものを作るにあたって。
この記事で見せたマニアックな方法は、ユーザが言う
"面白さ"を作るための手段なのです。
この手段は"面白さ"を作るための目的にすぎません。
面白さの源泉、つまり目的は"アイデア"なんです。
そう考えると目的である多様な台の仕様を、
出玉だけで簡単に否定できないと思えるようになってきませんか?
パチ7内外で色んな方とお話しするようになって、
自分の方向性がぶっとんでいると否定できなく
なってきた私がいます…悔しいですが←
基本はその考えでいいと思いますw
ただ、どうやったんだろうという探求心があると
新たな発見があると同時に、沼にハマります←
あら、ありがとうございます♪でも、まだ分かりませんよ?
僕も複雑化度合いにはビックリしましたね…
特にBB中とか解明したのは初めてだと思います。
そうなんですよ。今は配当表を隠してしまうので、
この分野は絶対に理解させない…理解できない
仕様となってしまいました。業界にその気もないんでしょうけどね。
この仕様を復刻させるためにどんな苦労をしたか?
という視点を持つと新しいスロットの楽しみ方が
拓けるかもしれませんよ♪新ハナビのバラけ目しかり、ね。