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元店長カタギリのホール非攻略~パチンコパチスロ情報バラエティ~
2019.04.05
カタギリのホール非攻略『裏モノについて』
元・店長カタギリ 元店長カタギリのホール非攻略~パチンコパチスロ情報バラエティ~
▲今回は『裏モノ』について解説。
好きなパチスロは『ビガー』でお馴染み、全力中年カタギリでございます。
さて今回のテーマはパチスロの「裏モノ」です。近年パチスロに触れた健全なスロッターの皆様にはピンとこない内容かも知れませんが、そんな皆様がパチスロの裏側について知る機会が一度ぐらいはあってもいいのかな、と私は思うのです。 ホール非攻略の裏テーマは『温故知新』。若者の知見を広げる機会となれば幸いです。
★この記事に書いてあること。
★そもそも『裏モノ』って何?
私がパチンコ・パチスロに初めて触れた1990年(平成2年)は、パチスロの「3号機」が導入され始めた年でもあります。
新基準機導入の背景にあったのは、シングルボーナスの集中役を搭載していた一部の2号機のギャンブル性が問題視されたこと。そう、遊技機の射幸性の高さが原因だったのです。あらら、どこかで聞いたような話ですね。
さて、多彩なゲーム性でファンを魅了してきた2号機と違って、ボーナス主体の単調かつ画一的なゲーム性を有する3号機にファンが群がる訳もありません。ホールが望むのはファンに支持される台であり、ファンが望むのはギャンブル性の高いマシン。
さあ、そこで登場するのが素性のわからない業者さん。彼らの手によってメーカーが作った「正規品」は「独自のゲーム性を備えた、非合法なパチスロ機」へと変貌を遂げたのです。これが俗に言う「裏モノ」と呼ばれるマシンなのであります。
★裏モノがホールに導入されるまで。
ホールが新台として設置したパチスロ機は、前述の謎の業者さんが深夜にコッソリひっくり返して「裏モノ」へと早変わり。
その仕組みは基板を交換したり、外付けの部品をぶら下げてみたり、といった原始的な手法がメイン。
もちろん当時から新台入替時には所轄の立ち入り検査はありましたが、大量に導入された新台の端と端の1台ずつを目視確認して終了するといった感じの、緩めのチェックでしたからね。
さらに、この時代は遊技機のセキュリティが現在に比べて非常に低かったのも原因でしょう。封印シールさえ上手に外せば簡単に基板が取り外せたのですから。
こうして正規品とは違う非合法パチスロ機は警察の目をかいくぐってホールに設置され、ノーマル機の出玉性能では物足りないヘビーユーザーの皆様を熱狂させたのです。
★様々な顔を持つ『裏モノ』というパチスロ機。
さて、当時のマシンがどのような性能を持っていたかを簡単にご説明いたしますと、大別すると2つのタイプになるでしょうか。
まずひとつめが「上乗せ型」。ボーナスの初当りに対して一定の割合で連チャンが発生するという出玉率上乗せタイプのマシンですね。
そして、もうひとつが「貯金型」です。こちらは成立したボーナスフラグを文字通り内部に貯留した後、条件を満たした際に一気に連チャンとして放出させる仕組みでした。
いずれのタイプのマシンも代償として正規の台よりも初当り確率が抑えられている、小役出現率が低く設定されている等、通常時のベースが低い=ユーザーの投資が大きくなる仕様に変更されている場合が多かったため、出る時は連チャンで大量獲得、出なければ大量投資で大撃沈というギャンブルマシンに仕上がっておりました。
それに加えて4号機時代にはリプレイやチェリー等の特定の小役が連続で出現するとボーナスの期待が高まる「小役連バージョン」を筆頭に、通常時にノーマル機とは違う挙動を示す裏モノも登場。これにより裏モノはギャンブル性だけでなくゲーム性をも楽しめるようになったのです。
想像してみてください、ブドウ揃いと同時に告知ランプが点灯するジャグラーを。1ゲーム連が頻発するハナビを。ベルが4連続した次ゲームで必ずリーチ目が出るバーサスを。それらの台が連日、何台も万枚オーバーしている光景を。ほら、絶対に打ってみたくなりましたよね?
★通常とは違う設定変更方法。
パチスロの設定を変更する手順といえば、
① 台の電源を落とす
② 所定の場所に設定キーを挿入して変更モードに切り替え
③ 電源を立ち上げて、ボタンで任意の数値に変更
④ レバーを叩いて設定を確定してから設定キーを抜く
という流れになります。これはホール関係者でなくとも実機をお持ちのユーザーさんにはいまさら説明する必要もないでしょう。
ところが一部の裏モノでは通常の6段階のボーナス確率の他にボーナス貯金確率や連チャンモード突入率、連チャンスピードといった細部までホールが任意で設定可能で、その結果として非常に面倒な設定変更手順を踏む必要があったものもあったそうです。
残念ながら私はそういった機種の設定変更を行ったことはありませんが、中には設定変更後、10~20ゲーム程度で必ずビッグボーナスが成立するリセットモーニング機能なども存在する機種も存在していました。 また、同一機種でも導入するホールによって全く違う挙動を示す、ということも珍しくはありませんでしたし、同一機種でもA店ではバリバリ連チャンする裏モノなのに、すぐ隣にあるB店では通常通りのボーナス出現率の正規品、ということもありました。
正規品なのか、それとも裏モノなのか。裏モノであれば、どういったバージョンなのか。それらを確かめるための手段は口コミであったり、客層を見たり、実際に打って確認してみたりといった自らの責任において判断するしか術が無かったのです。
このような裏モノの特性は全てユーザーの要望にホールが応えようとした結果なのです。自店にやってくる遊技客が、どういったゲーム性の台を望んでいたのか。それに対して、どういう台を提供するのか。そうやって頭を悩ませたホールのオーナーさんや店長さんが頼りにしたのが、謎の業者さんだったという訳ですね。
★『裏モノ』の終焉。
正規品ではないはずの裏モノがパチスロ雑誌でも当たり前のように取り上げられていた時代を経て、2003年ごろを境に裏モノは急速にその姿を消していきました。
ある日、突然ノーマル仕様に戻されたり、新台に入れ替えられたり、極端な例だと店が摘発されて廃業したり。2005年の5号機導入までには、裏モノを打てるホールはほぼ絶滅していたはずです。基板も簡単に取り外せないよう「カシメ」が付けられたり、封印シールは一度でも剥がすと貼り直しが出来ないような特殊加工が施されたりと、遊技機のセキュリティ面も大幅に進化したのです。
あまり大きな声では言えませんが出入りしていた業者さんもこの頃にお縄になってしまったそうで、5号機の登場にはまさしく時代の変化を肌で感じさせられましたね。私が初めてパチスロに触れてから、ちょうど15年目のお話です。
★カタギリ物語。
「ねぇねぇケンちゃん(私の本名)、帰りに裏モノの新装に行こうぜ!」
まるで興味の無い専門学校になんとなく通っていた、当時19歳の私にそんな声をかけてきたのは同じクラスの町山君でした。親から貰った定期代を何の迷いも無くセブンボンバーのサンドに投入する彼と、なけなしのバイト代をメダルへと変えてワイルドキャッツの筐体に流し込んでいた私。授業なんかよりもずっと熱心にパチスロに取り組んでいた二人が仲良くならない理由などない。そんな彼の誘いの言葉に、当然のように首を縦に振る私。
「……なぁ、マッチー。 なんでコイツら座ってんの?」
午後6時。開店と同時に先頭に並んでいた私たちが店内へと飛び込むと、なんと新台のシマは既にガラの悪い連中によって占拠されていたのです。その光景に唖然する私の右腕を強く引きながら店内の奥のシマへと導いてくれた町山君に、思わず愚痴をこぼす。その時、互いの視線が交差した。何も答えてはくれない彼の瞳には、私に対する微かな軽蔑の色が見えていた。
座ったのは『アラジンⅡ』という機種。確かボーナスはオマケ程度で、出玉はシングルボーナスの集中役で増やす台だよな、という基本的な知識は持っていたものの、打つのはこれが初めてだった。ベットボタンがリール停止ボタンの右側にあるという独特の筐体も、私を戸惑わせる。打ったことのない台、しかも裏モノ。それを怪しい連中だらけの初めて来た店で打つ。妙な緊張感はあったものの、隣には町山君がいる。それだけで安心だった。
さて、遊技の結果は町山君が僅かな投資で初当りをゲットして約2,000枚。私は投資こそ嵩んだものの後半にビッグボーナスの連チャンが炸裂して、わずか4時間足らずの営業時間内に4,000枚近く叩き出す大勝利だったと記憶している。シングルボーナスの集中役で出玉を増やす本来のゲーム性と違い、ビッグボーナスが連チャンする裏モノの本領が発揮されたという訳である。
初打ちの裏モノで大勝利。この日を境に私のパチスロライフは裏モノ中心となった…… という結果にはならなかった。
先頭に並んでいる客よりも先に入場している輩も気にいらなかったが、何よりも連チャンしている最中に目押しの苦手な私の代わりに7図柄を揃えてくれた町山君の迷惑そうな表情が忘れられなかったからだ。
先客がいる程度で文句を言うような野郎が、その程度の目押し力の奴が、裏モノと対峙しようなんて甘いんだよ。彼の心の中の叫びが、なんとなく聞こえたような気がしたのだ。事実、二人とも勝利を飾ったにも関わらず、彼は何かを諦めたような男の顔をして私とろくな会話も交わさず、帰りの電車に乗り込んでしまった。それが、彼との最後の連れ打ちになってしまいました。
マッチー、江古田にあった例の店は、随分と前に潰れたよ。俺、あれからパチ屋で働いたんだ、仕事が忙しくて新装開店に行けなくなったから1年でヤメちゃったけどさ。そういえば昔、新宿のグリンピースタワーでドギージャム打ってなかった? 俺、お前にソックリなヤツを見かけたんだよ。あの時、話しかけとけば良かったな。今は、元気でやってんの? もう一度、話がしたいな。一番最初の裏モノ体験を思い出すと、彼の顔が浮かぶのです。
★『裏モノ』まとめ。
業界の健全化を実現するために不可欠であった「裏モノ」の撲滅。2019年現在、裏モノは完全にその姿を消したと断言して良いでしょう。仮に未だに不可解な挙動を示す遊技機が存在するとするならば、それは裏モノではなくゴト師によって仕込まれた不正基板を疑うべきです。万が一、現在でも裏モノが存在するホールがあるとすれば、それらはSNSによって拡散されて瞬く間に終焉を迎えることでしょう。
こうした現状に対して私は「業界は不健全な形で健全化した」という感想を持っています。
裏モノ全盛期、いろいろな意味で怖くて近寄れなかったパチスロコーナーは現在、煌びやかな内装や礼儀正しいスタッフ、そして、どの店でも同じ機械が遊技できるという、業界の変貌とホールの努力によって若者や女性でも気軽に遊技できる環境へと変化を遂げました。
しかしながら4号機時代、正規の台と裏モノの混在していた頃のホールでは、若者は目押しを駆使してメダルを増やし、中高年層は血眼になりながらサンドに紙幣を突っ込むという「ユーザーの住み分け」がしっかりと行われていたのです。
裏モノの存在は確かに不健全でしたが、熱狂的な一部のユーザーを心から楽しませていた点、そして一部のホールを非常に潤わせたという点では文字通り業界を裏側から支えていた存在だったという訳ですね。
……ええ、「一部の」というところがダメなのですよね、わかっています。
とはいえパチンコ・パチスロは本来、非常に不平等なものです。知識のある者、技術のある者が有利になる遊技なのですから。提供された遊技機を自身が打って良い物なのか否か、それを判断するのも、やはり遊技者自身であるべきだと私は思うのです。
不健全な裏モノは、ギャンブルそのものの象徴でありました。その不健全さは、業界団体やホールの自浄努力という「まやかし」によって淘汰されてしまいました。誰もが安心して足を運べるようになったホール。気軽に楽しめるようになった遊技。それならば何故、遊技人口は減っていく一方なのでしょうか?
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- 元・店長カタギリ
- 代表作:しくじり店長
シルバ〇アファミリーみたいに小さなパチンコ店の責任者から一転、 雑巾がけがメインの業務となってしまった事務員へとグレードダウン。 そんな設定①のスランプグラフのような半生を、隔週水曜日に連載させて頂いております。 タイトルは「しくじり店長」。 パチ屋の店長が平社員へと降格していく逆サクセスストーリーを、 海物語シリーズの泡リーチを見つめるような気分でお読みください。
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ほぼ沖スロコーナーっていう香ばしいラインナップですからね。
関東なのに。
モーニングって、手順を踏めば設定できて、朝の清掃で間違ってレバーオンで光ってしまって文句言いながら再設定した思い出(苦笑)