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思考停止は死を意味する①
思考停止は死を意味する①
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栄冠の帝王わたぼうさん
大学生→無職にジョブチェンジしたなにわパチンカス。パチンカスで物書き志望。 楽しく勝つがモットー! と言いつつも、期待値のためならなんでも打つヨ! 2014年年間収支:-216.8k 2015年年間収支:+1529.84k 2016年年間収支:+1383.23k 2017年年間収支:+2064.58k 2018年年間収支:+1167.53k 2019年年間収支:+1612.50k - 投稿日:2015/08/09 01:10
どうもです! ここんところ勝ててないわたぼうです!
本日は、某社の最終選考があり、日帰りで千葉まで行ってきました!
……結果は、……お察し、ください……。まだわかりませんけど、あの手応えではまあ、ね…。
それで今回は、ちょっと思うところあるのでそのことについて書いてみようかと。毎回稼動日記でもあれですしね~。なのでかなり長くはなりますが、お付き合いいただけると幸いです。ちゃんとパチンコにも絡める話です。
それはですね、タイトルにもある通りのことです。
最近でこそだいぶ濃度が下がりましたが、自分はボチボチのオタクでした。アニメ、ラノベ、マンガ。この3つがあれば生きていけるような状態の。それが高じて自分でも小説を書き、ちょこちょこ賞に送ったりしておりましたが、そうすると現在の小説業界、特にライトノベルと呼ばれる世界のことがわかってくるわけです。
ハッキリ言いますと、現在のライトノベルの大半は商品としては一流でも、小説、物語という意味では二流三流のものばかりです。
その理由はいくつかありますが、大別すると、
1.ライトノベル戦国時代に突入し、新しい作家がどんどん出てきて作り手の数が増えたこと
2.流行のスパンが短くなり、アニメ化→アニメ終了と共に原作の人気も急降下、いわゆる「オワコン化」が頻発したこと
3.ライトノベルというものの性質上、表面的に売りやすいものを量産しやすいこと(人気作品と同じような装丁で同じような絵師を使えばある程度の売り上げは見込める)
4.書き手、出版社も同じ状態になり人気が出た作品のタイトルや設定、人物構成を真似た作品を作ること
5.新規のファンを獲得せず、既存のファン向けの売り方に終始していること
おおむねこの辺りに分けられることができると思います。
そしてこれって、いまのパチンコ業界とほとんど同じ構図になっているんですよね。
上記にあげた理由の中で、1番はそれほど問題があるとは思いません。新しい才能が発掘されることは良いことですからね。しかしこれには弊害があって、新しい作家の作品というのは、「話題性」という大きな武器があり、それだけで売れてしまうことです。先日、芥川賞を受賞された又吉さんの作品が売れるのと同じことです。
弁解しておきますと、又吉さんの作品はとても素晴らしいと思います。雑誌文学界に掲載されていたものを少し読みましたが、正直ここまでちゃんとした小説然としているのかと驚いたくらいです。あれは単行本を買って読む価値があるものだと思います。
ただし、そういう小説の実力があることを考えても、純文学に該当するジャンルの小説が200万部以上刷られたということは奇跡と呼ぶのがおこがましいくらいの珍事です。
一般的に純文学に類する小説というものは、お金になりません。ほとんどの作品は本になっても5000部や良くて1万部。10万部いけば芥川賞受賞作品でも充分にヒットしたレベルです。
ちなみに印税は一般的には単行本の値段の10%~15%程度と考えてもらえるとよろしいかと(この印税の割合は色々と複雑なことがありますが、高いか安いかはみなさんの判断におまかせします)。今回の又吉さんの場合は、処女作でおそらく2億円近い印税が入ることになりますが、そうでなかった場合はせいぜいが100万円程度ということです。とてもじゃないですけど生活していけませんよね。
上で述べた話に戻りますが、では何故ライトノベルが商品としては一流なのに、ダメなのか。
それは「消費されるもの」になっているからです。個人的にはファストノベルという言い方がいちばんしっくりくるかと。
ライトノベルの世界では10万部20万部は序の口です。流行の先駆けとなったものはあっという間に50万部100万部は売れてしまいます(ライトノベルの印税は上記の割合よりももう少し落ちるという話も聞きますが)。しかし、本当に良い作品がそれだけ売れるのは当然喜ばしいことです。
問題は、本当に大したこともない作品でも、マーケティング次第では売れてしまうということです。
ライトノベル界にはいくつかの大きな流行の波がありました。
最近ですと、「涼宮ハルヒの憂鬱」の一大ムーブメントがあり、その後は「ゼロの使い魔」あたりからの異世界ファンタジーハーレムものの流れがあり、「僕は友達が少ない」あたりから日常系ハーレムものの作品が人気を集め、「とある魔術の禁書目録」ぐらいから魔術もののムーブメントが再来し、「アクセルワールド」及び同作者の「魔法科高校の劣等性」から、いわゆる「小説家になろう」と、「俺ツエー」ものの爆発的なヒットが生まれました。
ぼくは上記作品のうちハルヒとゼロの使い魔くらいしか読んではおりません。しかしわかることがあります。
それは「読者のレベルが下がっている」ということと、「ヒット作品の後追いをする作家、出版社が急激に増えたこと」です。
それが上で書いた2~5番の理由に当てはまることですが、これは出版業界だけでなくアニメ業界にも関係してくることです。
アニメ業界は現在、青息吐息です。毎クールに放送されるアニメは30本前後、その製作現場は劣悪で、一般企業レベルと比較しても長すぎる労働時間に加え、年収100万円前後というアニメーターが多いと聞きます。それを支えているのがラノベ業界です。
出版不況といわれる昨今、ラノベは金のなる木、刷れば儲かるという状態です(それもそろそろ破綻しかかっているかもしれませんが)。それは費用対効果が非常に高いということ。新人作家を使えば原稿料や印税は安く済み、マーケティングさえ間違わなければある程度の売り上げは見込め、アニメ化されればそれでまた売れる。そのくり返し。
アニメ業界でも映画業界でもそうですが、何か企画を通すときに「原作もの」である方が企画が通りやすいと言われています。それはオリジナル作品を考える手間を省けることと、ある程度の収益が見込めるということ、そしてスポンサーがつきやすいということが理由です。
そして現在のアニメ業界を見てみると、圧倒的にライトノベル原作、あるいはマンガ原作というものが多いですね。
つまりはアニメ業界とラノベ業界で1つの輪になっているんですね。
ではそれで困るのは誰か。実は一次創作者、ラノベ作家です。
作品がアニメ化されると一時的に人気は上がり、お金も入ってきますが、たいていの作品はそこがピークで、あとは急激な下降線を辿り、作品は終了となります。そして次の作品を書こうにも、出版社や世間は新しい作家を重宝し、現存している作家を育てようという気がないため、作家は困窮します。話題性以外に売る術を知らないということでもあります。
もちろん、人気作を書けない作家自身の問題もあります。しかしヒット作を連発できる天才はほんの一握りです。才能の見切りが早いということにもなります。
そして3~5番の理由にもなりますが、作家も出版社も商売ですから、商品=本を売らなければなりません。そうすると手っ取り早いのが売れている作品の真似をすることです。
たとえば「物語」シリーズという、化物語を始めとした、アニメ化もされ、パチンコやスロットにもなった西尾維新さんの傑作があるんですが、そのあとに同じような文体、調子の作品が続々と、一体どこからこんなに湧いて出てきたんだというくらい出現したときがありました。これはハルヒのあとにもあったことで、主人公の独特な一人称で展開させるという、恐ろしく単純で、それゆえに非常に技量とセンスが必要なタイプの小説です。その金字塔が化物であり、ハルヒであったわけですが、それを真似した作品群は、どれもそれなりに売れてしまいました。
そしてほとんどの例外なく、これらの作品はつまらないということでした。化物やハルヒを超えた作品は何一つなかった。あったのは二番煎じの凡作ばかり。
そして現在、ラノベ界を席巻しているのは2つの潮流です。
俗に言う「ハーレムもの」と「俺ツエー」ものです。そこにさらに「異世界転生もの」というものも挙げておいても良いかもしれません。ハーレムものは1人の主人公に対し複数の女の子が好意を寄せ、そのどの子とも付かず離れずの距離を保ったまま巻を重ねるというもの。俺ツエーものはそのまま、「平凡な主人公がなんらかの血統や運命的なできごと、あるいは奇跡によって特殊な力を手にし、立ちはだかるものをバッタバッタとなぎ払っていくもの(多くの場合、ここには努力の要素がありません)」。
そして「異世界転生もの」は、主に「小説家になろう」という、クソみたいな名前のウェブサイトで流行しているもので、「平凡な主人公があるきっかけで異世界に飛ばされるか、あるいはMMORPGなどのオンラインゲームの中で特殊な才能を発揮して活躍する」作品群を指します。
そう、これらはすべて「男の夢」なんですね。問題は、それ以上でも以下でもないこと。つまりこれらは完全な虚構だということ。そこには一片のリアリティも存在していません。
つまり、読者の願いを叶える作品を生み出す書き手が圧倒的に多くなっているということに、問題があると考えます。と同時に、それで満足してしまっている読者が多くいるということ。
ではそれがどうパチンコ業界の話につながっていくのか。長くなりすぎてしまったので、次回に続きます!!! すいません!
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栄冠の帝王わたぼうさんの
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このコラムへのコメント(2 件)
いまの状態だと、良い作品が凡作の山に埋もれてしまっていますから、良い作品を見つけること自体が困難になりつつあると感じています…。悲しいですが…。
いい作品を見る(読む)目を育みたいです。